居宅介護支援事業所は、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」に定められる項目、内容を遵守しながら運営しなくてはいけません。
経営者の皆様は、人事異動を検討するにあたって、「居宅介護支援事業所の人員基準には何が定められていたかな?」、「管理者に主任ケアマネジャーの資格が必要なのはいつからだっけ?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?
そのような疑問をお持ちの方々に向けて、この記事では、居宅介護支援の人員基準、人員基準に違反した実例、違反しないための対策などについてご紹介しています。
居宅介護支援の人員基準とは、適切なサービスを提供するために、満たさなければならない最低限度の条件です。国や指定権者(市町村)が、居宅介護支援事業所に確保するべき従業員の資格要件や員数を規定しています。
居宅介護支援の運営基準には、居宅介護支援事業所の業務内容や介護支援専門員の責務、必要な書類などが定められています。
居宅介護支援の運営基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」には、人員に関する基準と運営に関する基準はありますが、他のサービス種別と違い、設備に関する基準はありません。
その代わりに、運営基準の中に「設備及び備品等」という項目があり、事業者が設置しなければならない設備や備品などが定められています。
居宅介護支援の設備及び備品等に関する基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
ここからは、居宅介護支援の人員基準で規定されている職種と人数を詳しく見ていきます。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、常勤で1人以上配置しなくてはいけません。
解釈通知では、介護支援専門員は、利用者35人に対して1人が基準のため、利用者が35人を超えた場合は「増員することが望ましい」とされています。そして、この増員する介護支援専門員は、非常勤職員でも良いとされています。
管理者は、常勤専従で1人以上配置しなくてはいけません。
ただし、『管理者が同じ居宅介護支援事業所の介護支援専門員として従事する場合』と『居宅介護支援事業所の管理業務に支障がなく、同一敷地内にある他の事業所の職務に従事する場合』は、他の職務を兼務することが認められています。
2021年4月以降、原則として管理者には、主任介護支援専門員の資格が必要となっています。ただし、主任介護支援専門員の確保が著しく困難であるなど、やむを得ない理由がある場合は、介護支援専門員を管理者とすることが認められていますので、「前任者が辞めて、主任介護支援専門員がどうしても確保できない」という場合は、指定権者に相談するのが良いでしょう。
2021年(令和3年)3月31日時点で主任介護支援専門員ではない職員が管理者となっている場合、2027年(令和9年)3月31日までの間は、その職員が引き続き管理者として従事することが認められています。
ただし、居宅介護支援事業所における業務管理や人材育成の観点から、2027年3月31日までの経過措置が終了する前に「管理者として主任介護支援専門員を配置することが望ましい」とされています。
居宅介護支援事業所は、少なくとも6年に1度、指定権者から運営指導(実地指導)を受けることになります。その際、人員基準に関して確認される項目や文書についてご紹介していきます。
実際に居宅介護支援で人員基準違反となった実例をご紹介していきます。
このような例も踏まえて、居宅介護支援の人員基準に違反しないためにどのような対策が考えられるのか見ていきましょう。
ここまで居宅介護支援の人員基準と人員基準の違反事例、違反しないための対策についてご紹介してきました。
居宅介護支援の人員基準に違反しないためには、管理者と介護支援専門員の兼務の状況と、介護支援専門員証の有効期間に注意が必要です。
皆様の事業所でも、改めて兼務の状況と介護支援専門員証の有効期間についてチェックしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。