通所介護(デイサービス)で活用できる補助金・助成金の種類と給付条件とは?

2023.01.30
2023.11.27
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こちらの記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。より新しい2023年7月時点の情報をもとにしたデイサービスの助成金・補助金についての記事は、こちらをご覧ください。
リンク:デイサービスの立ち上げに活用できる助成金・補助金

デイサービスを運営するなかで、「設備を導入して業務効率化を図り、人材の定着につなげたいが、設備を導入する資金が足りない」、「急に人が辞めてしまって臨時の採用コストがかかってしまった」などの悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

そのような皆様にむけて、この記事では、事業者が活用できる補助金・助成金の種類や給付条件、助成金額について詳しく説明していきます。

※こちらで紹介するのは2022年12月時点の情報となります。

目次
    通所介護(デイサービス)で活用できる補助金・助成金の一覧表
      通所介護(デイサービス)で人を雇用するときに使える補助金・助成金とは?
      通所介護(デイサービス)で設備を導入するときに使える補助金・助成金とは?
      通所介護(デイサービス)で新型コロナウイルスに関連する補助金・助成金とは?
      まとめ

        通所介護(デイサービス)で活用できる補助金・助成金の一覧表

        補助金や助成金は、国や自治体等が目指す方針・政策に向けた取り組みを行う事業者をサポートするために給付される資金を指します。

        金融機関から受ける融資と違って返済する必要がないことが特徴となっています。

        補助金の目的は、国や地方自治体が推進する公益性がある事業(新規事業や創業促進等)への補助です。そのため、申請内容の審査が行われ、申請しても採択されない場合があります。一方、助成金は、雇用・労働環境の整備や改善等を目的としており、一定の要件を満たして申請することで助成を受けることができます。

        デイサービスで活用できる補助金・助成金をまとめていますので見ていきましょう。

        人材雇用時に活用できる補助金・助成金
        キャリアアップ助成金

        (正社員化コース)

        有期契約労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合
        中途採用等支援助成金 中途採用を拡大した場合、一定期間後に生産性が向上した場合
        トライアル雇用助成金

        (一般トライアルコース)

        就業経験の不足などにより就職が困難な求職者を試行的に雇った場合
        特定求職者雇用開発助成金 高齢者や障害のある人・母子家庭の母など就職困難な人、65歳以上の離職者を雇う場合など
        65歳超雇用推進助成金 65歳以上への定年引上げ、高年齢の有期契約労働者を無期雇用へ転換した場合など
        設備導入時に活用できる補助金・助成金
        人材確保等支援助成金

        (介護福祉機器助成コース)

        介護福祉機器を導入し、離職率を低下させた場合
        ICT導入支援事業補助金 介護ソフトやタブレット端末などのICT機器を導入した場合
        新型コロナウイルスに関連する補助金・助成金
        新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業 緊急時に介護人材を確保、職場環境の復旧、連携して緊急時の人材確保支援を行った場合など
        その他
        両立支援等助成金 育児休業の円滑な取得や職場復帰のための取り組みを行った場合、不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度を活用しやすい環境整備を行った場合など
        人材開発支援助成金 職務に関連した専門的な知識や技能を修得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合、教育訓練休暇制度を適用した場合など

        通所介護(デイサービス)で人を雇用するときに使える補助金・助成金とは?

        それではまず初めに、通所介護(デイサービス)で人材を雇用する際に活用できる補助金・助成金を見ていきます。

        キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?

        キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の職員を、正規雇用に転換または直接雇用をした場合に受給が可能な助成金です。

        【給付条件】

        • 正規雇用の職員に転換する制度を就業規則などに規定している。
        • 転換後6カ月間の賃金を、転換前6カ月間の賃金より3%以上増額させている。
        • 正規雇用の職員に転換する前日までに「キャリアアップ計画」を作成・提出している。

          など

        【助成金額】

        1人当たりの助成金額は以下のとおりになっています。

        転換前の雇用形態
        有期雇用労働者 無期雇用労働者
        中小企業 57万円 28万5,000円
        大企業 42万7,500円 21万3,750円

        中途採用等支援助成金とは?

        中途採用等支援助成金は、中途採用率を拡大または45歳以上を初めて雇用する際に受給可能な中途採用拡大コースと、東京圏から移住者を雇い入れる場合に受給可能なUIJターンコースがあります。

        【中途採用拡大コースの給付条件】

        • 中途採用計画を作成し、管轄の労働局に届け出る
        • 中途採用者の雇用管理制度を整備する
        • 中途採用計画期間内に中途採用を拡大する
        • 中途採用者、無期雇用での採用など、支給対象の労働者を雇い入れる

          など

        【中途採用拡大コースの助成金額】

        助成額
        中途採用率の拡大 50~70万円

        (初めての中途採用の場合追加で10万円)

        45歳以上を初採用 60万円または70万円
        情報公表+中途採用者数の拡大 30万円

        (1年定着した場合はさらに20万円)

        一定期間後に生産性が向上した場合には、以下のような追加の助成があります。

        助成額
        中途採用率の拡大 1事業所あたり25万円
        45歳以上を初採用 1事業所あたり30万円
        情報公表+中途採用者数の拡大 1事業所あたり15万円

        【受給可能なUIJターンコースの給付条件】

        • 採用活動計画を作成し、管轄の労働局に届け出、労働局長の認定を受ける
        • 計画期間内に、採用パンフレット等の作成・印刷、自社ホームページやPR動画の作成などの採用活動を行う
        • 東京圏からの移住者、継続雇用が確実であるなど、支給対象の労働者を雇い入れる

          など

        【受給可能なUIJターンコースの助成金額】

        • 中小企業:助成対象経費の合計額の½
        • 中小企業以外:助成対象経費の合計額の⅓

          ※いずれも上限は100万円

        トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは?

        トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは、職業経験・技能・知識の不足等により安定的な就職が困難な求職者を、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介によって、一定期間試行雇用した場合に受給可能な助成金です。

        【給付条件】

        • 対象労働者が、ハローワークや職業紹介事業者から紹介を受けた日に、学校に在籍していない・トライアル雇用期間中ではないなどの条件に当てはまる
        • ハローワークや職業紹介事業者などの紹介により雇い入れる
        • 原則3カ月のトライアル雇用をする
        • 対象労働者が、次のいずれかに該当する
          • 紹介日前2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している
          • 生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者など
          • 紹介日に、フリーター等で55歳未満である者

            など

        【助成金額】

        • 支給対象者1人につき月額4万円
        • 対象者が母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円

          ※トライアル雇用の雇用期間が1カ月に満たない月がある場合や、支給対象者本人の都合による休暇があった場合などは、実際に就労した日数に基づいて計算した額となります。

        特定求職者雇用開発助成金とは?

        特定求職者雇用開発助成金とは、高年齢者や障害者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介によって、継続して雇用する職員として雇い入れた場合に受給可能な助成金です。

        特定求職者雇用開発助成金は、以下のコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が違います。

        • 特定就職困難者コース
        • 生涯現役コース
        • 被災者雇用開発コース
        • 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
        • 就職氷河期世代安定雇用実現コース
        • 生活保護受給者等雇用開発コース

        例として、生涯現役コースの給付条件と助成金額を見ていきましょう。

        【生涯現役コースの給付条件】

        • ハローワークまたは職業紹介事業者等の紹介により雇う
        • 雇用保険の高年齢被保険者として雇い入れ、1年以上雇用することが確実である

          など

        【生涯現役コースの支給額】

        支給対象者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
        短時間労働者以外の者 70万円(60万円) 1年 35万円×2期(30万円×2期)
        短時間労働者 50万円(40万円) 1年 25万円×2期(20万円×2期)

        ※()内は中小企業以外

        65歳超雇用推進助成金とは?

        65歳超雇用推進助成金とは、高齢の有期契約労働者を無期雇用へ転換した場合に受給可能な助成金です。以下の3つのコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が違います。

        • 65歳超継続雇用促進コース
        • 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
        • 高年齢者無期雇用転換コース

        ここでは、例として、高年齢者無期雇用転換コースの給付条件と助成金額をみていきましょう。

        【高年齢者無期雇用転換コースの給付条件】

        • 無期雇用転換計画を作成し、認定を受ける
        • 無期雇用転換計画に基づき、計画の実施期間内に50歳以上かつかつ定年年齢未満の有期契約職員を無期雇用職員に転換する

        【高年齢者無期雇用転換コースの支給額】

        • 対象労働者1人につき48万円(中小企業以外は38万円)
        • 生産性要件を満たした場合、対象労働者1人につき60万円(中小企業以外は48万円)

        通所介護(デイサービス)で設備を導入するときに使える補助金・助成金とは?

        続いて、通所介護(デイサービス)で設備を導入する際に活用できる補助金・助成金の種類を見ていきます。

        人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)とは?

        人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)とは、介護福祉機器の導入等によって離職率の低下に取り組んだ場合に受給可能な助成金です。

        【対象となる介護福祉機器】

        • 移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む)
        • 装着型移乗介助機器
        • 体位変換支援機器
        • 特殊浴槽

          など

        【給付条件】

        • 労働環境向上のための介護福祉機器の導入・運用計画を作成し、管轄の労働局長の認定を受ける。
        • 介護福祉機器を導入し、適切な運用を行うこと。
        • 導入・運用計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率を、前1年間の離職率よりも、目標値以上に低下させる。

          など

        事業所の雇用保険一般被保険者の人数区分 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
        低下させる離職率の目標値 15% 10% 7% 5% 3%

        【支給額】

        助成対象費用 支給額
        介護福祉機器の導入費用(利子を含む) 合計額の20%

        (生産性要件を満たした場合は35%)

        ※上限150万円

        保守契約費
        機器の使用を徹底させるための研修

        ICT導入支援事業補助金とは?

        ICT導入支援事業は厚生労働省が、介護現場のICT化を目的に、各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用し、補助金の交付を実施している事業です。介護ソフトやタブレット端末などのICT機器を導入した場合に、補助金の受給が可能です。

        各都道府県によって給付条件や支給額が違います。ここでは、大阪府の例を見ていきましょう。

        【大阪府の給付条件】

        • 大阪府内で指定を受けた介護事業者

          など

          ※申請額が予算額を超える場合は抽選

        【補助対象機器】

        タブレット端末、スマートフォン、ソフトウェア、ネットワーク機器の購⼊・設置、クラウドサービスに要する経費等

        【大阪府の支給額】

        事業所規模に応じた補助額を上限に対象経費の3/4または1/2を補助

        ※LIFE にデータを提供、⼜は事業所内・事業所間で居宅サービス計画等のデータ連携を⾏っている場合(予定を含む)、ICT 導⼊計画で⽂書量半減を記している場合(拡充分)は3/4の補助。

        職員数 補助上限額
        1名以上10名以下 1,000,000円
        11名以上20名以下 1,600,000円
        21名以上30名以下 2,000,000円
        31名以上 2,600,000円

        通所介護(デイサービス)で新型コロナウイルスに関連する補助金・助成金とは?

        最後に、通所介護(デイサービス)で新型コロナウイルスに関連する補助金・助成金の種類を見ていきます。

        新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業とは?

        新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業とは、緊急時に介護人材を確保するための費用や職場環境の復旧や環境整備のための費用など、通常の介護サービスの提供では想定されないかかり増し費用を助成する事業です。

        【助成対象】

        • 新型コロナウイルス感染者が発生または濃厚接触者に対応した介護サービス事業所(休業要請を受けた事業所も含む)
        • 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い居宅でサービスを提供する通所系サービス事業所
        • 感染者が発生した施設等の利用者様の受け入れ及び応援職員の派遣を行う事業所

        【対象経費】

        • 職員の感染等による人員不足、通所系サービスの代替サービス提供に伴う介護人材の確保等の費用
        • 介護サービス事業所・施設等の消毒、清掃費用、通所系サービスの代替サービス提供に伴う初動費用等
        • 感染が発生した施設等への介護人材の応援派遣等に伴う費用

        まとめ

        ここまで説明してきたように、様々な目的・状況で申請できる補助金・助成金があります。

        設備等の初期導入費用や支払った経費の補填として補助金・助成金を活用することは、安定した事業所経営に非常に有効です。

        こちらでご紹介した情報以外にも補助金・助成金の種類はありますので、ぜひ継続して情報を収集し、安定した事業所経営を目指しましょう。

        最後までお読みいただきありがとうございました。

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