こちらのページでは、主に訪問介護事業所を開業するまでの流れを説明しています。 訪問介護事業所を立ち上げるまでの流れや開業時の資金調達の方法などについては、下記のページにさらに詳しくまとめておりますので、そちらをご覧ください。 リンク:訪問介護開業の流れを徹底解説!必要な資金や開業前の指定申請まで
訪問介護の事業所数は微増の傾向にありますが、その地域での「要介護認定者数の増加」、「高齢者の増加」、「高齢化率の上昇」、「訪問介護事業所の不足」などの背景から訪問介護事業所の開業・起業を考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、訪問介護事業所の開業を検討している中で、「どれくらいの資金が必要なの?」、「訪問介護事業所を経営したら儲かるのかな?」、「準備は何から始めたらいいの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事では、訪問介護事業所の開業までの流れと必要となる資金、収支差率などをご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
訪問介護事業所を開業するまでの流れは、おおむね以下のようになっています。
それでは、それぞれの段階で実施することを詳しく見ていきましょう。
開業に向けて、「どこで」、「どのような目的を持って」、「どのような状態の利用者様に」、「どのようなサービスを」提供する訪問介護事業所を作りたいのかというコンセプトを明確にしましょう。 その上で、具体的に開業する地域と物件、その地域での要介護高齢者の人数やニーズ、競合となる介護サービス事業所などについて調査し、情報を集めます。 そして、集めた情報を基に、「経営が成り立つのか?」という視点で事業計画書を作成することになります。
訪問介護事業所で『事業計画書』を作成する主な目的として、『事業の見通しを立てる』、『金融機関からの融資』、『指定申請に使用する』が挙げられます。
金融機関から融資を受ける際に提出する事業計画書は、フォーマットが指定されますが、それ以外の目的がある場合は、目的に合わせてカスタマイズして事業計画書を作成することになります。
訪問介護事業所の事業計画書の書き方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
介護事業所を開設するためには「法人であること」が求められていますので、法人として登記していない場合は、株式会社等の設立登記の手続きを行う必要があります。 また、事業計画書を作成する際に計算した開業費用について、自己資金や金融機関からの融資による資金調達を行い、その資金で物件の契約時の支払いや備品の購入、職員の採用などを進めます。 訪問介護事業所には、配置しなくてはいけない職種・人数等が定められている『人員基準』と、事業所の区画、必要となる設備・備品等が定められる『設備基準』がありますので、その基準(ルール)を満たすように準備を進めることになります。
開業予定日に合わせて、訪問介護の指定権者(都道府県または市)に指定申請を行うことになります。指定申請では、以下のような指定申請書及び添付書類を作成・準備し、提出します。
※書類は例示です。実際に必要となる書類は、指定権者にご確認ください。
提出された指定申請書・添付書類に基づき、指定権者(都道府県または市)による審査と、必要に応じて実地調査が行われ、審査が無事に終わると指定通知書が届きます。
開業予定日が確定したので、その日に合わせて利用者様を獲得するために居宅介護支援事業所や地域包括支援センター等へ営業を行います。 そして、利用者様との契約を結び、開業日から実際にサービスの提供を開始することになります。
訪問介護の開業費用の内訳として、事業所の賃貸契約に係る費用、応接セット、事務用デスク、オフィスチェア、パソコン、コピー機など備品の購入費用などが必要になります。 また、開業準備期間と運営開始後の人件費やその他の経費の支払いなども含め、おおよその目安として『300万円〜500万円ほど』は見込んでおくのが良いでしょう。
訪問介護事業所の開業時の資金調達方法としては、『自己資金』と『金融機関からの融資』を組み合わせるケースが多いです。
訪問介護事業所の開業時の初期費用や資金調達方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
厚生労働省の「令和2年度介護事業経営実態調査」の結果によると、訪問介護の平均収支差率は『2.6%(黒字)』となっていますので、十分に利益を出すことができる事業だと言えます。ただし、あくまで平均値なので、利用者様の獲得が上手くいかない場合、採用コストや人件費が増加した場合などは、赤字になってしまう可能性があります。 特に訪問介護事業所は、開業費用が少なく開業することができる一方、適切な事業計画の作成ができていないために倒産に至ってしまう事業所も多いので注意しましょう。
【令和2年度介護事業経営実態調査結果】
訪問介護事業所を開業する際に理解しなければならないルールの一つに指定基準があります。
訪問介護の人員基準には、訪問介護員やサービス提供責任者などの最低限配置しなくてはならない職種、資格要件、配置基準などが定められています。
訪問介護の人員基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
訪問介護の設備基準には、事務室などの最低限設置しなくてはならない設備や備品などについて定められています。
訪問介護の設備基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
訪問介護の運営基準には、サービスの提供にあたって、作成しなくてはいけない書類や利用者様・その家族に説明しなくてはいけない内容など、事業所の運営にあたって遵守しなくてはいけない基準が定められています。
訪問介護の運営基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
訪問介護事業所の開業準備では、事業計画の作成、法人設立、指定申請書類の作成、従業員の採用、利用者獲得のための営業、加算算定のための準備など、やらなくてはいけないことがとても多いです。このような準備を進める中でわからないこと・迷ってしまうことは多いでしょう。
このように開業への不安や疑問がある方は、ぜひ『カイポケの開業支援サービス』のような開業をサポートするサービスを使ってみてはいかがでしょうか。
今回は、訪問介護事業所の開業までの流れ、開業費用、収支差率などについて説明してきました。 訪問介護事業所を開業・起業するにあたって、やるべきことはとても多く、慣れない書類作成などで苦労することも多いでしょう。開業に向けて「何に注力するべきなのか?」を考え、面倒な書類作成等は開業サポートなどのサービスを活用するのもひとつの手だと思います。 ここでご紹介した内容が、訪問介護事業所の開業、そしてその後の事業所運営のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。