通所介護(デイサービス)の開設・立ち上げのステップや、無料の開業支援サービスについては、下記のページにまとめておりますので、そちらをご覧ください。 リンク:【開業】通所介護(デイサービス)の開設・設立
直近5年間ほどデイサービスの事業所数は横ばいの傾向にありますが、その地域での「要介護認定者数の増加」、「高齢者の増加」、「高齢化率の上昇」、「デイサービスの不足」などの背景からビジネスチャンスを感じ、これまでの経験を活かしてデイサービス(通所介護)の開業・起業を考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、デイサービスの開業を検討している中で、「どれくらいの資金が必要なの?」、「デイサービスを経営したら儲かるのかな?」、「準備は何から始めたらいいの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事では、デイサービスの開業までの流れと必要となる資金、収支差率などをご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
デイサービスを開業するまでの流れは、おおむね以下のようになっています。
それでは、それぞれの段階で実施することを詳しく見ていきましょう。
開業に向けて、「どこで」、「どのような目的をもって」、「どのような状態の利用者様に」、「どのようなサービスを」提供するデイサービスを作りたいのかというコンセプトを明確にしましょう。 その上で、具体的に開業する地域と物件、その地域での要介護高齢者の人数やニーズ、競合となる介護サービス事業所などについて調査し、情報を集めます。 そして、集めた情報を基に、「経営が成り立つのか?」という視点で事業計画書を作成することになります。
デイサービスで『事業計画書』を作成する主な目的として、『事業の見通しを立てる』、『金融機関からの融資』、『指定申請に使用する』が挙げられます。
金融機関から融資を受ける際に提出する事業計画書は、フォーマットが指定されますが、それ以外の目的がある場合は、目的に合わせてカスタマイズして事業計画書を作成することになります。
デイサービス(通所介護)の事業計画書の書き方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
介護事業所を開設するためには「法人であること」が求められていますので、法人として登記していない場合は、株式会社等の設立登記の手続きを行う必要があります。 また、事業計画書を作成する際に計算した開業費用について、自己資金や金融機関からの融資による資金調達を行い、その資金で物件の契約時の支払いや備品の購入、職員の採用などを進めます。 デイサービスには、配置しなくてはいけない職種・人数等が定められている『人員基準』と、事業所の区画や面積、必要となる設備等が定められる『設備基準』がありますので、その基準(ルール)を満たすように準備を進めることになります。
開業予定日に合わせて、通所介護の指定権者(都道府県または市)に指定申請を行うことになります。指定申請では、以下のような指定申請書及び添付書類を作成・準備し、提出します。
※書類は例示です。実際に必要となる書類は、指定権者にご確認ください。
提出された指定申請書・添付書類に基づき、指定権者(都道府県または市)による審査と、必要に応じて実地調査が行われ、審査が無事に終わると指定通知書が届きます。
開業予定日が確定したので、その日に合わせて利用者を獲得するために居宅介護支援事業所や地域包括支援センター等への営業を行います。 そして、利用者との契約を結び、開業日から実際にサービスの提供を開始することになります。
デイサービス(通所介護)の開業費用は、物件を購入・建築するのか、テナントを借りるのかによって大きな差があります。 加えて、送迎に使用する車両(一般車両・リフト付車両)、テーブル、イス、ベッド、ソファ、テレビ、冷蔵庫等の厨房機器、洗濯機、事務用デスク、オフィスチェア、パソコン、コピー機などの備品を購入する費用も必要になります。また、提供するサービスの内容によっては、中重度の利用者に入浴サービスを提供する場合の特殊浴槽、マシーントレーニングを実施する場合の機能訓練機器など、費用が高額になる備品等を準備することもあるでしょう。 そして、開業準備期間と運営開始後の人件費やその他の経費の支払いなども含めると、おおよその目安として、中古物件を購入する場合は『2,000万円~4,000万円ほど』、土地を購入して建設する場合は『3,000万円~8,000万円ほど』、テナントを借りて改装する場合は『500万円~1,500万円ほど』は見込んでおくのが良いでしょう。
ただし、ここでご紹介した内容は、「通所介護(定員19名以上)の事業所」の開業費用なので、もし「もっと開業費用を抑えたい」ということでしたら、「地域密着型通所介護(定員18名以下)の事業所」の開業を目指すという手もあります。
デイサービスの開業時の資金調達方法としては、『自己資金』と『金融機関からの融資』を組み合わせるケースが多いです。
デイサービスの開業時の初期費用や資金調達方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
厚生労働省の「令和2年度介護事業経営実態調査」の結果によると、通所介護の平均収支差率は『3.2%(黒字)』となっていますので、十分に利益を出すことができる事業だと言えます。 ただし、あくまで平均値なので、利用者の確保が上手くいかない場合、採用コストや人件費が増加した場合、物価・エネルギー価格が上昇した場合などは、赤字になってしまう可能性があります。
【令和2年度介護事業経営実態調査結果】
デイサービスを開業する際に理解しなければならないルールの一つに指定基準があります。
デイサービス(通所介護)の人員基準には、介護職員や機能訓練指導員などの最低限配置しなくてはならない職種、資格要件、配置基準などが定められています。
デイサービスの人員基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
デイサービス(通所介護)の設備基準には、食堂や機能訓練室などの最低限設置しなくてはならない設備や備品などについて定められています。
デイサービスの設備基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
デイサービス(通所介護)の運営基準には、事業所が適切な介護サービスを提供するために、提供するサービスの内容や提供方法、必要な書類や記録、取り組みなどが規定されています。
デイサービスの運営基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
デイサービスの開業準備では、事業計画の作成、法人設立、指定申請書類の作成、従業員の採用、利用者獲得のための営業、加算算定のための準備など、やらなくてはいけないことがとても多いです。また、開業に向けた準備を進める中でわからないこと・迷ってしまうこともでてくるでしょう。
このように開業への不安や疑問がある方は、ぜひ『カイポケの開業支援サービス』のような開業をサポートするサービスを使ってみてはいかがでしょうか。
今回は、デイサービスの開業までの流れ、開業費用、収支差率などについて説明してきました。 デイサービスを開業・起業するにあたって、やるべきことはとても多く、慣れない書類作成などで苦労することも多いでしょう。開業に向けて「何に注力するべきなのか?」を考え、面倒な書類作成等は開業サポートなどのサービスを活用するのもひとつの手だと思います。 ここでご紹介した内容が、デイサービスの開業、そしてその後の事業所運営のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。