「通所介護計画書」とは、通所介護サービス(デイサービス)を提供するにあたって、利用者の心身の状況や利用者の希望、利用者が置かれている環境を踏まえて機能訓練などの目標や提供するサービスの内容、その実施状況などを記載する書類です。
デイサービス事業を行う際の運営基準にも規定されています。居宅サービス計画書(ケアプラン)の内容に沿い、デイサービスの管理者が中心となって作成します。作成後は、目標の達成状況を適宜評価・再アセスメントして、利用者の変化に合わせて計画を見直します。
また、デイサービスの管理者は、通所介護計画の内容について利用者やその家族に説明し、利用者の同意を得なければなりません。その後、利用者へ計画書を交付します。
通所介護計画書は、初めてサービスを提供する前に、居宅介護支援事業所のケアマネジャーから受けたケアプランに準じて作成します。更新のタイミングも通常、ケアプランの更新に合わせます。
まず、計画書の上段についてポイントを紹介します。 作成日は初回から必ず記載し、前回作成日と初回作成日欄は更新時に記載します。 通所介護計画は、「介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある者や、介護の提供について豊富な知識及び経験を有する者にそのとりまとめを行わせるものとし、当該事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に当該計画のとりまとめを行わせることが望ましい」と規定されています。
障害高齢者の日常生活自立度は以下の通りです。
認知症高齢者の日常生活自立度は以下の通りです。
● I 利用者の基本情報 ケアプランや介護保険被保険者証、聞き取りから得た情報などを参考に、以下の項目に沿って利用者に関する基本的な情報を記載します。
・デイサービス利用までの経緯(活動歴や病歴)・利用者本人の希望・家族の希望・利用者本人の社会参加の状況・利用者の居宅の環境・健康状態・ケア上での医学的リスク
下段では、事業所で日々提供するプログラムやその評価などを記載します。
●II サービス利用目標・サービス提供内容の設定
【利用目標】・長期目標・・・ケアプランの長期目標を参考に、デイサービスの利用を通じて、利用者がどのような生活を送れるようになりたいのかといった視点から目標を設定します。設定期間の目安はケアプランに準じて作成します。
・短期目標・・・ケアプランの短期目標を参考にした上で、上述の長期目標を達成するために日常的に取り組む目標を設定します。
・目標達成度・・・計画書の更新時に、設定した目標の達成度を「達成」、「一部」、「未達成」の3段階で評価します。
【サービス提供内容】 ・目的とケアの提供方針・内容・・・目標に沿ったサービスの内容を具体的に記載します。デイサービスでの提供する1日プログラムの内容ごとに、ケアをする上での注意点やプログラムの目的を記載します。
・評価・・・プログラムごとに利用者の様子や変化などを記載します。
・プログラム(1日の流れ)・・・デイサービス事業所の事業計画に則り、各利用者の心身の状態に応じて、プログラムを設定してください。
・送迎の有無・・・送りと迎えの必要性をそれぞれ記載します。
●特記事項・・・上記に記載仕切れない事項について、サービスを提供する職員らへの共有事項などを記載します。
●実施後の変化(総括)・・・計画の更新時にサービス提供した結果を振り返り、今後の方針などを記載します。
●利用者同意欄・・・通所介護計画書の作成時には利用者およびその家族等の同意が必要です。同意を得たらそれを証明するために同意欄に説明者と同意日を記載します。また、同意を得たら、居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーに報告します。
計画書の作成は、運営基準上は管理者となっていますが、同時に多職種共同で作成することも求められています。多角的な視点から検討が必要です。
配信日:2021年6月14日
(注)記事の内容は、2021年4月末時点の情報を基に作成しています。今後、厚生労働省より解釈通知、各自治体より詳細な通知・資料などが公開された場合、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報を基にご判断をいただきますようお願い致します。