訪問看護計画書・報告書とは? 書き方と様式無料DL【21年度改正対応】

2021.06.07
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訪問看護計画書/訪問看護報告書とは?

「訪問看護計画書」は、訪問看護を提供するにあたって、療養上の目標や、目標を達成するための具体的なサービス内容などを記載する書類です。主治医の指示(訪問看護指示書の交付)を受けて、居宅介護支援事業所のケアマネジャーからの居宅サービス計画書(ケアプラン)に準じて作成します。計画書に記載されたサービス内容について、利用者や家族に説明し、その内容について同意を得たうえで利用者に交付します。主治医やケアマネジャーへも作成した、訪問看護計画書を提出します。

また、「訪問看護報告書」は訪問看護を提供した後にその内容を記載する書類で、主治医に提出します。

訪問看護計画書/報告書はいつ作成する?

訪問看護計画書は、初回訪問時に居宅介護支援事業所のケアマネジャーから受けたケアプランに準じて作成します。更新のタイミングも、通常、ケアプランの短期目標の更新に合わせます。ただし、「利用者の状態に変化があった時」、「訪問看護指示書に変更点があった場合」、「ケアプランに変更があった場合」には、必ず作成します。

訪問看護報告書はサービス提供を開始して以降、月に1度を目安に定期的に作成します。

訪問看護計画書の書き方

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訪問看護計画書を作成する際には、以下のポイントを踏まえるとよいでしょう。

★:21年度改定で変更されている項目

(1)利用者の基本情報

利用者の氏名、生年月日、要介護認定の状況、住所を各欄に記載します。

(2)看護・リハビリテーションの目標

看護師などの介入によって、利用者の状態がどのように変化するのか、その目標を記載します。本人や家族の希望を踏まえ、主治医の指示やケアプランに沿った目標を立てる必要があります。

(3)年月日/問題点・解決策/評価

年月日欄には、訪問看護計画書の作成日、または計画の見直しを行った日付を記載します。

*初回介入時に作成する計画書の年月日は「初回介入日の日付」を記載します。

問題点・解決策欄には、上述の目標を踏まえたうえで利用者が抱える問題点・課題とそれを解決・改善していくための支援方法を記載します。

評価欄は、計画の更新時に記載します(初回介入時は空欄でかまいません)。それまでに提供した訪問看護サービスの内容を振り返り、記載した計画を継続するべきか、変更するべきかを記載します。

(4)衛生材料等が必要な処置の有無

衛生材料などが必要な処置の有無に○をつけ、必要な処置がある場合は、「処置の内容」「衛生材料(種類・サイズ)等」「必要量」を記載します。必要量は1カ月間に必要な量を記載します。

(5)備考

特別な管理が必要な場合やほかの介護・医療保険、保健サービスの利用状況など、各項目に書ききれない留意事項を記載します。

★(6)作成者名

作成者名の欄には計画書の作成担当者の氏名を記載し、該当する職種に○をつけます。

理学療法士、作業療法士または言語聴覚士による訪問看護サービスを提供する場合には、作成者欄①②の両方への記載が必要です。

(7)年月日/事業所名/管理者氏名

年月日欄には、訪問看護計画書の作成日を記載します。
そのほか、事業所名と管理者の氏名を各欄に記載します。

訪問看護報告書の書き方

※21年度から理学療法士等による訪問の場合は、別紙(後述)に詳細の記載が必要になりました。

※主治医に提出した訪問看護計画書の記載に重複する箇所がある場合は、重複箇所の記載が省略できます。

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(1)利用者の基本情報

利用者の氏名、生年月日、要介護認定の状況、住所を各欄に記載します。

★(2)訪問日

訪問看護を提供した日を〇で囲みます。ただし、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかによる訪問看護を実施した場合は◇、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した実施した日は△で囲い、緊急時訪問を行った場合は印を記します。

(3)病状の経過

利用者の病状やADLの状況などを記載します。

★(4)看護の内容

実施した指定訪問看護の内容について具体的に記載します。

(5)家庭での介護の状況

利用者の家族などによる介護の実施状況、健康状態、療養環境などについて、必要に応じて記載します。

(6)衛生材料等の使用量および使用状況

処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間の使用量を記載します。

(7)衛生材料等の種類・量の変更

衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけます。

変更内容欄には、利用者の療養状況を踏まえた上で、衛生材料等の種類・サイズ・量の変更が必要な場合に記載します。

(8)特記すべき事項

各欄への記載事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記載します。

★(9)作成者名

報告書の作成担当者の氏名を記載し、看護師または保健師のうち該当する職種について○をつけます。

(10)年月日/事業所名/管理者氏名

年月日欄には、訪問看護計画書の作成日を記載します。
そのほか、事業所名と管理者の氏名を各欄に記載します。

訪問看護報告書別紙(理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細)の書き方

理学療法士、作業療法士または言語聴覚士による訪問看護を提供した場合は、こちらの様式を訪問看護報告書に添付します。

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(1)(2)利用者氏名、日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度

各欄に必要事項を記載します。

(3 ) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容

理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が行った訪問看護サービスの内容や、家族らへの指導、リスク管理などの内容について具体的に記載します。

(4)評価

主治医に報告する直近の利用者の状態について、活動と参加の状況に分けて記載します。

看護職員との連携状況、看護の視点からの利用者の評価についても記載が必要です。

(5)特記すべき事項

理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が行った訪問看護について、各欄へ記載した事項以外に主治医に報告する必要があれば記載します。

(6)作成者名

報告書の作成担当者の氏名を記載し、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のうち該当する職種について○をつけます。

訪問看護計画書/報告書作成の際の注意点

訪問看護計画書や訪問看護報告書を作成する際は、以下の点に注意して記載しましょう。

1. 訪問看護ステーションの管理者は計画書および報告書の作成に関し、必要な指導と管理を行わなければなりません。

2. 訪問看護ステーションの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問看護を行っている場合、計画書と報告書は、看護職員(准看護師除く)と理学療法士らが利用者に関する情報を共有した上で作成する必要があります。

※配信日:2021年6月7日

(注)記事の内容は、2021年4月末時点の情報を基に作成しています。今後、厚生労働省より解釈通知、各自治体より詳細な通知・資料などが公開された場合、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報を基にご判断をいただきますようお願い致します。

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