栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング様式(通所系サービス)とは? 書き方と様式無料DL【21年度改正対応】
目次
    栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング様式(通所系サービス)とは?
      栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングの様式はいつ作成する?書き方のポイントは?
      栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングの様式(厚労省の様式例)ダウンロード

        栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング様式(通所系サービス)とは?

        厚生労働省は、利用者1人1人に適した栄養ケアを行う栄養ケア・マネジメントを行う体制整備を介護施設・居住系施設だけでなく通所介護事業所(デイサービス)においても推進しています。

        その手順として、利用者のリスクを把握し(栄養スクリーニング)、利用者が抱える栄養管理上の課題を把握(栄養アセスメント)したうえで、栄養ケア計画を立て、その内容に沿ったサービスを提供します。サービスの提供後は、栄養ケアを提供した結果として利用者の状態を推移を観察して記録し(モニタリング)、またサービスに繋げていくという一連の流れを繰り返します。

        厚労省は、栄養スクリーニング・栄養アセスメント・モニタリングのプロセスを円滑に行うための補助ツールとして、利用者の栄養状態等について一体的に記載する様式を示しています。

        *なお、2021年介護報酬改定で新設された「栄養アセスメント加算」(50単位/月)を算定する際は、栄養アセスメントの結果(低栄養状態のリスクや解決すべき栄養管理上の課題の有無など)を利用者本人やその家族に対して説明するなどの対応が求められます。

        このページでは厚生労働省が示している様式例を基に、様式の作成手順について説明します。

        *関連記事:通所介護の単位数 2021年度介護報酬改定

        *関連ページ:リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(厚生労働省)※通所サービスにおける栄養ケア・マネジメントについての記載は42ページから

        栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングの様式はいつ作成する?書き方のポイントは?

        厚生労働省の様式例(「様式5-1」)イメージを一部抜粋し加工

        栄養スクリーニングのチェックシート・記録としての活用
        通所介護サービスの利用開始時に、管理栄養士が関係職種と共同して栄養スクリーニングを実施し、その結果をシートに記載します。その際、利用者に関する基本的な情報を控えておきます。(※上の図表(1))「プロセス」欄には「スクリーニング」(※上の図表(2))とします。

        その後は、管理栄養士が関連職種と連携の上、低栄養状態のおそれのある利用者の把握を3カ月毎に実施します。

        栄養アセスメントのチェックシート・記録としての活用
        栄養スクリーニングの結果を踏まえ、利用者ごとに栄養アセスメントを実施し、その結果を記載します。

        また、利用者宅を訪問して居宅での食事状況・食事環境などの課題を把握する際にも課題の洗い出しや記録として様式を使うことができます。

        栄養アセスメントによって把握した栄養管理上の課題などを利用者本人や家族に対して説明し、必要に応じ解決すべき栄養管理上の課題に応じた栄養食事相談や情報提供などを行います。

        厚生労働省は、利用者全員に対して継続的に実施することを促しています。

        また、利用者またはその家族への説明には、LIFEにおける利用者フィードバック票を活用します。

        低栄養状態のリスクの把握やモニタリングの結果は、3カ月毎に事業所を通じて利用者を担当するケアマネジャーなどへ情報を提供します。

        モニタリングのチェックシート・記録としての活用
        モニタリングは、栄養ケア計画に基づいて、低栄養状態の低リスク者は3カ月毎に、低栄養状態の高リスク者及び栄養補給法の移行の必要性がある者の場合には2週間毎など、適宜行います。ただし、低栄養状態の低リスク者も含め、体重は1か月毎に測定します。

        管理栄養士または関連職種は、長期目標の達成度、体重等の栄養状態の改善状況、栄養補給量などをモニタリングし、総合的な評価判定を行うとともに、サービスの質の改善事項を含めた、栄養ケア計画の変更必要性を判断します。その時点の状況だけでなく、モニタリング・アセスメント時の記録を踏まえた利用者の状態変化を把握して判断します(※上の図表(3))。

        栄養アセスメント加算算定時のLIFEへの提出データ

        厚労省が示しているのはあくまで栄養アセスメント等の項目を「様式例」として示すものですが、2021年度介護報酬改定で新設された「栄養アセスメント加算」を算定するには、様式例にある下記の各項目をLIFEで提出する必要があります。

        低栄養のリスクレベル
        ・ 下の表を参考に、 低栄養状態のリスクレベルを選択します。

        「ケアの質の向に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」を基に編集部で作成

        ア:①②③の項目が低リスクに該当する場合には、「低リスク」と判断されます。

        イ:高リスクにひとつでも該当する項目 があれがあれば「高リスク」と判断されます。

        *上記以外の場合は「中リスク」と判断します。

        * BMI、食事摂取量、栄養補給法については、その程度や個々人の状態等により、低栄養状態のリスクは異なることが考えられるため、対象者個々の程度や状態等に応じて判断し、「高リスク」と判断される場合があります。

        *褥瘡について:持続する発赤(d1)以上の褥瘡がある場合は、褥瘡はありと評価します。

        *評価していない項目がある場合(例:直近の血清アルブミン値がない場合等)については、当該項目を除外して評価します。

        身長・体重・BMI
        ※LIFE入力時には、身長・体重の登録がある場合、BMI は自動計算されます。

        3%以上の体重減少
        評価基準:3%以上の体重減少がある場合、「有」のチェックボックスにチェックを入れます(☑)。

        ※ 体重減少率は、継続的に LIFE にデータ登録がある場合、自動計算されます。
        ※ 浮腫がある場合は、解釈に注意が必要です。

        血清アルブミン値
        血清アルブミン値を測定している場合は「有」の、測定していない場合は「無」のチェックボックスにチェックを入れます。測定している場合は、検査数値を LIFE にデータ登録します。

        ※前回LIFE 登録時以降で血清アルブミン値を測定していない場合は、「無」のチェックボックスにチェックを入れます。
        ※後期高齢者医療健診で血清アルブミン値を測定している場合は、そのデータを入力することも可能です。
        ※血清アルブミン値は、栄養状態を表す検査値のひとつであり、低栄養であると低値を示します。ただし、 浮腫がある場合や感染等で炎症マーカーが高値の場合にも、血清アルブミン値が低い値を示すため、 解釈には注意が必要です。

        褥瘡
        持続する発赤(d1)以上の褥瘡がある場合は「有」のチェックボックスにチェックを入れます。該当しない場合は「無」にチェックを入れます。

        栄養補給法
        栄養補給の方法について、「経口のみ」か「一部経口」を選択し、「一部経口」の場合はさらに「経腸栄養」「静脈栄養」のうち該当する方を選択します。

        栄養補給の状態
        食事摂取量(割合)、主食の摂取量(割合)、主菜、副菜の摂取量(割合)において、、直近 3 日間において提供された食事をどれぐらい食べられたかを摂取率で LIFE にデータ登録します。

        ※通所系サービス等で、食事摂取量を正確に把握できない場合は、利用者または家族に聞取りを行い、 食事摂取量を把握します。
        ※直近 3 日間の食事の中で、検査等でやむをえず欠食があった場合は、その食事は除外して計算します。 ただし、体調等の理由で欠食があった場合は加味して計算します。

        摂取栄養量(現体重当たり)
        「栄養補給の状態」で得られる摂取率から、摂取栄養量(エネルギー、たんぱく質)を計算します。

        ※LIFE入力時には、現体重当たりの摂取栄養量は自動計算されます。

        提供栄養量(現体重当たり)
        直近 3 日間の食事について、管理栄養士が提供栄養量(エネルギー、たんぱく質)を入力します。

        ※ 自宅で食事準備を行っている場合は、利用者または利用者家族へ聞取りを行い、提供栄養量を入力します。
        ※現体重当たりの提供栄養量は自動計算されます。

        必要栄養量(現体重当たり)
        ・管理栄養士が個々人の状態に合わせて必要栄養量(エネルギー、たんぱく質)を計算します。下記は日本人の食事摂取基準(2020年・参考値 )です 。

        「ケアの質の向に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」を基に編集部で作成

        嚥下調整食の必要性、食事の形態(コード)、とろみ

        利用者の嚥下状態等を確認し、該当する項目を選択します。

        ・嚥下調整食の食形態については、下記の「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013」を参考にしてください。

        「ケアの質の向に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」を基に編集部で作成

        食事の留意事項の有無(療養食の指示、食事形態、嗜好、薬剤影響食品、アレルギーなど)
        食事の留意事項の有無がある場合、「有」のチェックボックスにチェックを入れ、カッコ内に療養食の指示、食事形態、嗜好、薬剤影響食品、アレルギーなどの詳細を記入します。

        本人の意欲
        直近3日間の本人の食生活に関する意欲を「よい」、「まあよい」、「ふつう」、「あまりよくない」、「よくない」の中から選択します。

        食欲・食事の満足感
        直近3日間の本人の食欲・食事の満足感を「大いにある」、「ややある」、「ふつう」、「ややない」、「全くない」の中から選択します。

        食事に対する意識
        直近 3 日間の本人の食事に対する意識を「大いにある」、「ややある」、「ふつう」、「ややない」、「全くない」の中から選択します。

        厚生労働省の様式例(「様式5-1」)イメージを一部抜粋し加工

        多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)
        直近の本人の口腔関係(「安定した正しい姿勢が自分で取れない」「食事に集中することができない」「食事中に傾眠や意識混濁がある」「歯(義歯)のない状態で食事をしている」「食べ物を口腔内に溜め込む」「固形の食べ物を咀しゃく中にむせる 食後、頬の内側や口腔内に残渣がある」「水分でむせる」「食事中、食後に咳をすることがある」 「その他・気が付いた点」の項目について、該当する場合にチェックします。

        総合評価
        ・各項目に記載した内容を踏まえ、 直近3日間の栄養状態について、 総合評価として「改善」、 「改善傾向」、 「維持」、「改善が認められない」の中から該当するものを選択します。

        サービス継続の必要性(栄養改善加算算定の場合)
        サービス継続の必要性がある場合は、「有」のチェックボックスにチェックを入れます。

        (注)記事の内容は、2021年6月末時点の情報を基に作成しています。今後、厚生労働省より解釈通知、各自治体より詳細な通知・資料などが公開された場合、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報を基にご判断をいただきますようお願い致します。配信日:2021年8月5日

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