個別機能訓練計画書は、利用者の自立支援を促進するための機能訓練の計画を記した書類で、個別機能訓練加算など各種加算を算定する上でも必要になります。
個別機能訓練加算とは、機能訓練指導員を配置し、利用者ごとの個別機能訓練計画を作成し、機能訓練を実施して目標に対する達成度を評価することで算定できる加算で、個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱの二種類があります。
個別機能訓練加算Ⅰは主に身体機能の向上を、個別機能訓練加算Ⅱは体や精神の働きの「心身機能」、日常生活動作や家事など生活行為全般の「活動」、家庭や社会生活で役割を果たすための「参加」の生活機能の維持・向上を目指します。
個別機能訓練加算は介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護、短期入所生活介護、通所介護などで取得することができます。
個別機能訓練計画書は個別機能訓練の開始時に作成し、その後は3カ月に1回以上、個別機能訓練のモニタリング・評価を行って計画を更新する必要があります。また、平成27年度の介護報酬改定によって、個別機能訓練計画書を作成する際は利用者の居宅を訪問することが必須となっています。
なお、個別機能訓練計画書を作成する際は、利用者の生活課題や本人・家族の希望などを考慮し、機能訓練指導員・介護職員・生活相談員・看護職員など多職種が共同して計画を立案します。
個別機能訓練計画書を作成する際には、以下の内容を押さえておくとよいでしょう。
【利用者情報】
・作成日
・前回の作成日
個別機能訓練計画書を更新した時は、前回の作成日を記載します。
・計画作成者
主に機能訓練指導員の氏名を記載します。
・利用者情報(氏名、生年月日、要介護度、個別機能訓練計画における各担当の氏名)
・本人、家族の希望
・日常生活自立度(障害、認知症)
・病名、合併症、運動時のリスク
・生活課題、在宅復帰における在宅環境課題
【個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱ】
・長期目標、短期目標
長期目標は概ね6カ月以内の身体機能向上に達成したい目標を、短期目標は概ね3カ月以内に達成したいより具体的な目標を記載します。
・目標達成度
長期、短期目標の達成度を記載します。
・プログラム内容、留意点、頻度、時間、主な実施者
具体的な訓練内容とその実施にあたって留意すべき事項、週1回以上の実施頻度、実施時間、訓練を実施する主な実施者の氏名を記載します。
【特記事項】
個別機能訓練全般や利用者に関する留意点を記載します。
【プログラム実施後の変化(総括)】
個別機能訓練による身体機能、生活機能面での変化を記載します。
【利用者への説明・同意に関する報告】
利用者に個別機能訓練の内容について説明を行い同意を得た際の日付、利用者・家族の署名を記載します。
また説明を行った日付、報告先を記載し、情報の連携・共有が行いやすいようにします。