居宅介護支援事業所を運営する中で、職員の雇用や設備の入替などを行うタイミングがあると思います。
そのような時に役に立つのが補助金や助成金です。
この記事では、居宅介護支援事業所が活用できる助成金・補助金について、人材雇用や設備導入、資格取得などの目的別にご紹介しています。
助成金や補助金は、国や自治体等が目指す方針・政策に向けた取り組みを行う事業者をサポートするために給付される資金を指します。金融機関から受ける融資と違って返済する必要はありません。
助成金の目的は、雇用・労働環境の整備や改善等で、一定の要件を満たせば助成を受けることができます。
一方、補助金は、国や地方自治体が推進する公益性がある事業(新規事業や創業促進等)への補助を目的としています。そのため、申請内容の審査が行われ、申請しても採択されない場合があります。
以下に、居宅介護支援事業所で活用できる助成金・補助金を一覧でまとめました。
【居宅介護支援事業所で活用できる助成金・補助金】
など
それではまずはじめに、居宅介護支援事業所で人材を雇用する際に活用できる助成金・補助金の種類を見ていきます。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の職員を、正規雇用に転換または直接雇用をした場合に受給が可能な助成金です。
【給付条件】
【支給金額】
1人当たりの助成額は以下の通りです。
中途採用等支援助成金は、中途採用率を拡大または45歳以上を初めて雇用する際に受給可能な中途採用拡大コースと、東京圏から移住者を雇い入れる場合に受給可能なUIJターンコースがあります。
【中途採用拡大コースの給付条件】
【中途採用拡大コースの支給金額】
一定期間後に生産性が向上した場合には、以下の追加助成があります。
【受給可能なUIJターンコースの給付条件】
【受給可能なUIJターンコースの支給金額】
※いずれも上限は100万円
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは、職業経験・技能・知識の不足等により安定的な就職が困難な求職者を、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介によって、一定期間試行雇用した場合に受給可能な助成金です。
※トライアル雇用の雇用期間が1カ月に満たない月がある場合や、支給対象者本人の都合による休暇があった場合などは、実際に就労した日数に基づいて計算した額となります。
特定求職者雇用開発助成金とは、高年齢者や障害者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介によって、継続して雇用する職員として雇い入れた場合に受給可能な助成金です。
特定求職者雇用開発助成金は、以下のようなコースに分かれており、コースによって助成金額や給付条件が違います。
例として、特定就職困難者コースの給付条件と支給金額をみていきます。
【特定就職困難者コースの給付条件】
【特定就職困難者コースの支給金額】
※()内は中小企業事業主以外の場合
65歳超雇用推進助成金とは、高齢の有期契約労働者を無期雇用へ転換した場合に受給可能な助成金です。以下の3つのコースに分かれており、コースによって助成金額や給付条件が違います。
例として、高年齢者無期雇用転換コースの給付条件と助成金額を見ていきます。
【高年齢者無期雇用転換コースの給付条件】
【高年齢者無期雇用転換コースの支給金額】
続いて、ケアマネジャーが資格の取得や更新に活用できる助成金・補助金の種類を見ていきます。
事業所が取得する助成金・補助金ではなく、基本的には職員自らが申請して取得するものにはなります。ですが、職員のキャリアアップや資格更新の後押しのためにも知っておくと良いでしょう。
東京都練馬区における介護支援専門員・主任介護支援専門員更新研修費助成事業とは、練馬区内の事業所に勤務している介護支援専門員・主任介護支援専門員が更新研修を受講する場合に、更新研修費の一部を助成する事業です。
【支給対象者】
山梨県北杜市における介護人材資格取得費用助成金交付制度とは、北杜市内の介護サービス事業所における人材の確保と育成を目的に、介護の資格取得に必要な受講料または受験料を助成する制度です。
【支給対象研修・試験】
最後に、居宅介護支援事業所でICT機器などの設備を導入する際に利用できる助成金・補助金について見ていきます。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合った、クラウドサービスなどのITツールの導入を支援する補助金です。通常枠の「A類型」、「B類型」、「セキュリティ対策推進枠」、デジタル化基盤導入枠の「デジタル化基盤導入類型」、「複数社連携IT導入類型」の5種類があります。
【支給要件】
【支給対象経費】
支給金額や補助率は以下の通りです。
※「プロセス」とは、業務工程や業務種別のことです。
ここまで、ケアマネジャーが活用できる助成金・補助金について目的別に述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
人材雇用や資格取得・更新、設備導入など、様々な場面で活用できる助成金や補助金がありました。資金が必要になった際は、使える助成金や補助金がないのか、一度確認してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。