居宅介護支援のケアマネジャーの定着率は?定着しない原因と対策とは?

2023.05.09
2023.05.09
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居宅介護支援事業所を運営する中で「職場に定着して、できるだけ長く働いてほしい」と思っている経営者の方は多いのではないでしょうか?

時間とコストをかけて採用した人材が離職してしまった時、「なぜ離職したのかわからない」や「定着率を上げるためにどんな方法があるの?」といった疑問が浮かぶかもしれません。

そのような経営者・管理者の皆様に向けて、この記事では、ケアマネジャーの定着率や、人材定着のための具体的な方法などについて解説していきます。

目次
    ケアマネジャーが定着する居宅介護支援事業所のメリットとは?
      ケアマネジャーの定着率の全国平均とは?
        ケアマネジャーが定着しない要因とは?
        ケアマネジャーを定着させる方法とは?
        まとめ

          ケアマネジャーが定着する居宅介護支援事業所のメリットとは?

          居宅介護支援で人材を定着させることには、以下のようなメリットが考えられます。

          • 採用や教育にかかるコストを削減できる。
          • 生産性の向上や質の高いサービス提供につながる。
          • 新たに採用を行う際のアピールポイントになる。
          • 職員の生産性がアップすることによって、利用者様の満足度が向上する。

          ケアマネジャーの定着率の全国平均とは?

          居宅介護支援と全産業平均の離職率の推移をご紹介します。離職率が高いほど、定着率は低くなります。

          5年間の離職率の推移を見ると、居宅介護支援の離職率は全産業平均と比べて、同程度となっています。

          ケアマネジャーが定着しない要因とは?

          居宅介護支援は、業種として人材の定着率が低いわけではありません。そのような中で、ケアマネジャーが定着しない事業所には、どのような要因があるのでしょうか。

          介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査」によると、居宅介護支援の職員が前職(介護関係の仕事)をやめた理由は、以下のようになっています。

          • 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため・・・23.1%
          • 職場の人間関係に問題があったため・・・22.8%
          • 他に良い仕事・職場があったため・・・15.4%
          • 自分の将来の見込みが立たなかったため・・・15.4%
          • 収入が少なかったため・・・15.1%

          人間関係や運営のあり方など「職場への不満」や、収入の少なさや将来の見込みが立たないなどの「生活への不安」があるために、人材が定着しないことが見て取れます。

          ケアマネジャーが感じている業務への負担感とは?

          「職場への不満」となる材料の一つに、業務の負担が多いことが考えられます。

          愛媛県介護支援専門員協会が令和元年度に行った「介護支援専門員の意識調査アンケート」によると、『業務に負担感を感じている』と答えたケアマネジャーは『57%』と、半数以上にのぼります。

          具体的には、

          • 入退院や困難事例など業務に時間を取られている
          • 書類作成や保険者の手続きの多さ
          • 管理者や研修担当など、法人内の他の業務を兼務している

          などの理由が挙げられています。

          ケアマネジャーを定着させる方法とは?

          こうした業務への負担感をはじめとした「職場への不満」や、収入が少ないといった「生活への不安」を解決していくことが、ケアマネジャーの定着につながっていきます。

          それでは、人材定着のための具体的な方法について見ていきましょう。

          不満をキャッチアップして労働条件を見直す

          働く中で、不満や不安を感じることは、誰でもあるでしょう。人材を定着させるために大切なのは、そうした不安を早期に把握して、解決に向けた行動をとることです。

          具体的には以下のような方法が考えられます。

          • 働き方や仕事内容、キャリアについて上司と相談する1on1ミーティングなどを定期的に行う。
          • 担当件数や困難事例が特定の職員に偏りすぎないようにする。
          • 担当件数や仕事の内容に応じた給与となるように給与体系を見直す。

          職員のスキルアップを支援する

          スキルアップを支援することで、職員の自信やモチベーションが向上し、職場への定着につながります。

          具体的には以下のような方法が考えられます。

          • ケアマネジメントのスキルアップ研修
          • 実務の中で感じた課題や困ったことを共有する会議の実施
          • 事例検討会等への参加
          • 主任介護支援専門員の資格取得を支援

          事業所の福利厚生制度を見直す

          他事業所と比較して劣っている点があれば、福利厚生制度を見直しましょう。そうすることで、「他に良い事業所があったから」といった理由で離職するリスクを減らすことができます。

          具体的には以下のような制度の導入が考えられます。

          • 通勤手当、住宅手当、家族手当等の支給
          • 慶弔休暇、お祝い金の支給
          • 時間単位有給休暇
          • リフレッシュ休暇(勤続年数に応じた長期休暇)
          • 介護支援専門員資格の更新の費用負担
          • 主任介護支援専門新資格を受講補助制度
          • 書籍購入補助制度
          • 社員寮の設置
          • 契約ホテル・保養所の割引

          まとめ

          ここまで、ケアマネジャーに定着してもらうための方法について詳しく説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

          ケアマネジャーにできるだけ長く働いてもらうためには、職員一人ひとりに目を向けて、働く中で出てくる悩みや不安をいち早く把握し、それらを解決するための取り組みを着実に行っていくことが大切です。

          最後までお読みいただきありがとうございました。

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