訪問看護ステーションは、利用者様をどれだけ確保できるかが売り上げに直結してきます。
そのため、訪問看護ステーションを運営する皆様は、「目標の売り上げを達成するために、どうすれば利用者様を増やせるのだろうか?」や「利用者数を減少させないためにはどうすればいいの?」といった悩みを抱えているかもしれません。
そのような経営者・管理者の皆様に向けて、この記事では、訪問看護ステーションの利用者数の全国平均や、利用者様を獲得するための方法について解説していきます。
まずはじめに、訪問看護ステーションの平均利用者数を、介護保険と医療保険それぞれについて見ていきましょう。
厚生労働省の2021年度介護サービス施設・事業所調査、介護給付費実態統計によると、介護保険による訪問看護事業所の利用者数と事業所数は以下のようになっています。
つまり、利用者数の全国平均は、1事業所あたり『42.45人』となります。
厚生労働省が2021年度に行った「看護療養費実態調査」によると、全国の訪問看護事業所の利用者数と訪問看護基本療養費または精神科訪問看護基本療養費を算定している事業所数は以下のようになっています。
つまり、利用者数の全国平均は、1事業所あたり『9.06人』となります。
訪問看護ステーションで利用者様を増やすためには、事業所の強みや特色を把握し、ケアマネジャーなどの営業先に的確に伝えることが大切です。
それぞれ段階を追って、詳しく見ていきましょう。
まずは、ご自身の事業所の強みや特色を把握し、言語化します。他の事業所と差別化できそうな点が強み・特色となります。
以下のような具体例が考えられます。
強みや特色を把握したら、それらを営業先にアピールするために、パンフレットなどのツールを作成します。パンフレットには、以下のような内容を盛り込むと良いでしょう
ご自身の事業所の強みや特色をアピールできるツールの準備ができたら、営業先をリストアップし、定期的に営業を行いましょう。
営業先は、
などになります。
また、営業方法は、
営業を行う際は、利用者様の空き状況が多い曜日などが分かるようなチラシなどがあると、ケアマネジャーなどが利用者様の紹介を考える上で役立ちますので、用意すると良いでしょう。
訪問看護の利用者数を増やしていくためには、「新規の利用者様を獲得」し、「利用している利用者様の継続利用」が必要になります。それでは、具体的な取り組みについて見ていきましょう。
利用者様に「また来てほしい」と思ってもらえるよう、満足度を高めることは重要です。
利用者様の満足度が低いと、事業所の変更希望・利用終了に繋がってしまうこともあります。
もしもケアマネジャーから利用の停止や担当者の変更を打診された際には、どうしてその決断に至ったのかを聞き取り、改善につなげましょう。
介護保険の利用者様はケアマネジャーから紹介を受けるケースが多いので、ケアマネジャーの方と信頼関係を構築することが必要になります。
信頼関係を構築するためには、紹介の受けた利用者のサービス提供時の様子や状態の変化など、先方が必要とする情報を的確に伝え、質の高いサービスを提供することが重要です。質の高いサービスは、利用者様からの満足度だけでなく、ケアマネジャーからの評価にも繋がっていることを意識しましょう。
ケアマネジャーと同様に、医療機関に対しても、利用者様の状態変化などを報告・共有するなどの連携が図れていると、信頼関係の構築に繋がるでしょう。
新型コロナウイルス感染症などが、事業所の職員や利用者様にまん延すると、利用控えや利用キャンセルなどにつながる可能性があります。
訪問看護ステーションと同じように、利用者宅を訪問する訪問介護では、「ヘルパーを介して利用者に新型コロナウイルスを感染させたのではないか」と利用者様家族からの訴訟も発生しています。
作成した感染症マニュアル・指針をもとに、さらなる感染症対策に努めましょう。
ここまで、訪問看護ステーションで利用者様を獲得する方法や、利用者様を増やすためのポイントについて述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
利用者様を増やすために、もう一度ご自身の事業所の強みや特色を把握し、その強みをケアマネジャーや医療機関などに的確に伝えましょう。
ここでお伝えした内容が、皆様の事業所運営のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。