高齢者が住み慣れた地域での生活を継続するために、希望する介護サービス等を利用できるように支援する『居宅介護支援事業所』は重要な役割を担っています。
この記事では、居宅介護支援の開業を検討している方に向けて、事業者が行う『指定申請』を詳しく説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
介護保険法に基づく指定居宅介護支援サービスを提供するためには、開業予定地の「(区)市町村」から、指定居宅介護支援サービス事業所の指定を受ける必要があります。この指定を受けるために行う申請手続きを『指定申請』と言います。 また、指定を受けた後は、有効期限(6年)に合わせて更新申請を行い、指定を受けている状態を継続する必要があります。
指定申請の実際の流れは、申請を行う市町村等によって若干違いますので、ここでは東京都板橋区を例に説明していきます。
東京都板橋区で居宅介護支援の新規指定申請を行う場合、指定を受ける予定の月の2ヵ月前までに「事前相談」を行うこととされています。
指定を受けるために必要な書類(指定申請書・添付書類等)を準備して、指定を受ける予定の月の2ヵ月前15日を期限として指定申請の受付窓口に提出します。
指定申請書・添付書類等に基づき、申請の内容に不備がないかの確認が行われます。 書類上の確認だけでは確認が取れない事項等について、市町村等の担当職員が開設予定の事業所を訪問し、現地調査を行う場合があります。
無事に確認・調査が終わると、指定居宅介護支援事業所の指定通知書が届きます。 指定通知書が届くと、記載されている指定年月日から事業を開始することができます。
指定申請を行う前に、「法人格の取得」、「不動産の契約」、「各種規則、規程、マニュアル、書式等の作成」、「従業員の面接・採用」など経営者がやらなくてはいけないことがたくさんあり、とても大変です。 特に各種規則、規程、マニュアル、書式等の作成や管理者・従業員の面接・採用は時間と労力がかかってしまいます。 もし、準備を進める中で負担が大きいと感じた場合には、居宅介護支援向けの開業支援サービスなどを活用するのが良いでしょう。
現在、新規で開業する居宅介護支援事業所の管理者は、原則として『主任介護支援専門員』の資格が必要になっています。指定申請においても、主任介護支援専門員研修の修了証の写しの提出が求められることから、「受講していない」や「更新研修を受けていない」といったケースに注意しましょう。
東京都板橋区の例では、開業予定日の2ヵ月には相談をし、新規指定申請を行いますが、この準備期間は収入があるわけではないですし、開業してからサービスを提供し、その介護報酬が入金されるのは開業から約2ヵ月後になります。 これらのことから、開業時の資金調達では、準備期間から支払う人件費や賃貸料と、実際に運営を開始してから2ヵ月間の経費を含めた運転資金を計算しなくてはいけないことに注意しましょう。
東京都板橋区を含む、(区)市町村が発表している指定申請に関する情報は、こちらからご覧ください。
居宅介護支援の開業準備では、事業計画の作成、法人設立、指定申請書類の作成、従業員の採用、利用者獲得のための営業、加算算定のための準備など、やらなくてはいけないことがとても多いです。また、開業に向けた準備を進める中でわからないこと・迷ってしまうこともでてくるでしょう。
このように開業への不安や疑問がある方は、ぜひ『カイポケの開業支援サービス』のような開業をサポートするサービスを活用しましょう。
居宅介護支援事業所の指定申請について説明してきましたが、一連の流れを掴むことはできましたか? 居宅介護支援事業所の指定申請では、人員基準と合わせて運営基準を満たすことを証明するための書類を準備することになります。 余裕をもった準備期間を設定し、開業予定日に合わせて準備を着実に進めましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。