こちらのページの内容は2023年1月30日時点のものです。 訪問看護ステーションの開業までの流れや立ち上げのポイントについては、下記のページにさらに詳しくまとめておりますので、そちらをご覧ください。 リンク:訪問看護ステーションの開業・立ち上げのポイントとは?
近年、訪問看護ステーションの事業所数は増加傾向にあり、ニーズの増加を感じて訪問看護ステーションの開業・起業を考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、訪問看護ステーションの開業を検討している中で、「どれくらいの資金が必要なの?」、「訪問看護ステーションを経営したら儲かるのかな?」、「準備は何から始めたらいいの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事では、訪問看護ステーションの開業までの流れと必要となる資金、収支差率などをご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
訪問看護ステーションを開業するまでの流れは、おおむね以下のようになっています。
それでは、それぞれの段階で実施することを詳しく見ていきましょう。
開業に向けて、「どこで」、「どのような目的を持って」、「どのような状態の利用者様に」、「どのようなサービスを」提供する訪問看護ステーションを作りたいのかというコンセプトを明確にしましょう。 その上で、具体的に開業する地域と物件、その地域でのニーズ、競合となる訪問看護ステーション・訪問看護を提供する医療機関などについて調査し、情報を集めます。 そして、集めた情報を基に「経営が成り立つのか?」という視点で事業計画書を作成することになります。
訪問看護ステーションで『事業計画書』を作成する主な目的として、『事業の見通しを立てる』、『金融機関からの融資』、『指定申請に使用する』が挙げられます。
金融機関から融資を受ける際に提出する事業計画書は、フォーマットが指定されますが、それ以外の目的がある場合は、目的に合わせてカスタマイズして事業計画書を作成することになります。
訪問看護ステーションの事業計画書の書き方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
訪問看護ステーションを開設するためには「法人であること」が求められていますので、法人として登記していない場合は、株式会社等の設立登記の手続きを行う必要があります。 また、事業計画書を作成する際に計算した開業費用について、自己資金や金融機関からの融資による資金調達を行い、その資金で物件の契約時の支払いや備品の購入、職員の採用などを進めます。 訪問看護ステーションには、配置しなくてはいけない看護師等の人数等が定められている『人員基準』と、事業所の区画、必要となる設備・備品等が定められる『設備基準』がありますので、その基準(ルール)を満たすように準備を進めることになります。
開業予定日に合わせて、訪問看護ステーションの指定権者(都道府県または市)に指定申請を行うことになります。また、訪問看護ステーションは「介護保険法に基づく指定申請」を行うことで、「健康保険法に基づく指定」も受けられることになっています。 指定申請では、以下のような指定申請書及び添付書類を作成・準備し、提出します。
※書類は例示です。実際に必要となる書類は、指定権者にご確認ください。
提出された指定申請書・添付書類に基づき、指定権者(都道府県または市)による審査と、必要に応じて実地調査が行われ、審査が無事に終わると指定通知書が届きます。
開業予定日が確定したので、その日に合わせて利用者様を獲得するために居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、医療機関等への営業を行います。 そして、利用者様との契約を結び、開業日から実際にサービスの提供を開始することになります。
訪問看護ステーションの開業費用の内訳として、事業所の賃貸契約に係る費用、応接セット、事務用デスク、オフィスチェア、パソコン、コピー機など備品の購入費用などが必要になります。 また、開業準備期間と運営開始後の収入が安定するまでの人件費やその他の経費の支払いなども含め、おおよその目安として『500万円〜800万円ほど』は見込んでおくのが良いでしょう。
訪問看護ステーションの開業時の資金調達方法としては、『自己資金』と『金融機関からの融資』を組み合わせるケースが多いです。
訪問看護ステーションの開業時の初期費用や資金調達方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
厚生労働省の「令和2年度介護事業経営実態調査」の結果によると、訪問看護(予防含む)の平均収支差率は『4.4%(黒字)』となっていますので、十分に利益を出すことができる事業だと言えます。ただし、あくまで平均値なので、利用者様の獲得が上手くいかない場合、採用コストや人件費が増加した場合などは、赤字になってしまう可能性があります。特に訪問看護ステーションは、看護師等の専門職を確保しなくてはいけないため、採用コストや人件費の増加に注意しましょう。
【令和2年度介護事業経営実態調査結果】
訪問看護ステーションを開業する際に理解しなければならないルールの一つに指定基準があります。
訪問看護の人員基準とは、国や指定権者(都道府県または市)が定める『訪問看護事業所で確保するべき従業員の資格や員数』についてのルールです。介護保険法に基づく指定を受けた場合は、健康保険法に基づく訪問看護事業者の指定も受けたとみなされます。
訪問看護ステーションの人員基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
訪問看護の設備基準とは、国や指定権者(都道府県または市)が定める『訪問看護事業所で確保するべき設備や備品』についてのルールであり、指定を受けた訪問看護事業者が最低限満たさなければならない条件です。
介護保険法に基づく訪問看護の設備基準は、平成十一年厚生省令第三十七号「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営の基準」に定められ、『訪問看護ステーションの場合』と『病院または診療所の場合』のそれぞれについて定められています。
訪問看護ステーションの設備基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
介護保険法に基づく訪問看護の運営基準には、サービスの提供にあたって、作成しなくてはいけない書類や説明・確認しなくてはいけない内容など、事業所の運営にあたって遵守しなくてはいけない基準が定められています。
訪問看護ステーションの運営基準については、こちらの記事に詳しくまとめていますのでご覧いただけると幸いです。
訪問看護ステーションの開業準備では、事業計画の作成、法人設立、指定申請書類の作成、看護職員の採用、利用者獲得のための営業、加算算定のための準備など、やらなくてはいけないことがとても多いです。このような準備を進める中でわからないこと・迷ってしまうことは多いでしょう。
このように開業への不安や疑問がある方は、ぜひ『カイポケの開業支援サービス』のような開業をサポートするサービスを使ってみてはいかがでしょうか。
今回は、訪問看護ステーションの開業までの流れ、開業費用、収支差率などについて説明してきました。 訪問看護ステーションを開業・起業するにあたって、やるべきことはとても多く、慣れない書類作成などで苦労することも多いでしょう。開業に向けて「何に注力するべきなのか?」を考え、面倒な書類作成等は開業サポートなどのサービスを活用するのもひとつの手だと思います。 ここでご紹介した内容が、訪問看護ステーションの開業、そしてその後の事業所運営のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。