フェイスシート(訪問看護記録書I)は、訪問看護の提供に当たって利用者の情報を収集するためのツールです。主治医や居宅介護支援事業所からの情報や初回訪問時に把握した利用者の基本情報などをまとめて記載します。利用者の氏名、年齢、性別、健康状態など、訪問看護サービスを提供するうえで必要な利用者の基本データを記載し、緊急時などにも参照します。
フェイスシートは、初回サービス提供時に作成します。
21年度介護報酬改定に併せて厚労省が改正した様式・記載要領によると、フェイスシートには下記の項目を記載します。
・訪問看護の依頼目的 ・初回訪問年月日 ・主たる傷病名 ・現病歴 ・既往歴 ・療養状況 ・介護状況 ・生活歴 ・主治医等の情報 ・家族等の緊急時の連絡先 ・担当の介護支援専門員名 ・指定居宅介護支援事業所の連絡先 ・その他関係機関との連絡事項
※厚労省様式のイメージ(一部抜粋、ページ下部でダウンロードできます)
上述した項目のほかにも、 ・加入している保険の情報 ・住居環境や収入源、利用者家族の就労状況
なども詳細に記入しておくと、利用者にとって必要なサービスを考案する助けになります。
例えば、同居している子供が日中は就労しているのか、それとも24時間自宅に誰かがいる生活状況かどうかによって、訪問介護や通所介護の利用頻度も変わってきます。
(1) 重要な情報を空白のままにしておかない
「緊急時の連絡先」については、遠方に在住している家族などの情報も記載しておくことが重要です。すぐに確認できないからという理由で、情報の記入欄が空白のままでは、後々困ることになるかもしれません。
また、今までの傷病経過を把握し傷病名については必ず確認し記録するようにしましょう。
(2) わかりやすい用語を使う
フェイスシートは、多職種間での情報共有に活用できます。訪問看護独自の用語や略語は相手に伝わらないこともあるので、記入する際にはなるべく平易な表現を用いましょう。また、使用する用語だけでなく、丁寧で読みやすい文章になるよう心がけましょう。
(注)記事の内容は、2021年4月末時点の情報を基に作成しています。今後、厚生労働省より解釈通知、各自治体より詳細な通知・資料などが公開された場合、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報を基にご判断をいただきますようお願い致します。配信日:2021年6月25日