居宅介護支援における運営基準減算とは、運営基準として定められる項目について、事業者への遵守を求めることを明確にするための減算です。
2021年度介護報酬改定では、ケアマネジメントの公正中立性の確保を図る観点から、利用者への説明内容について変更が行われました。ここでは居宅介護支援における運営基準減算について、詳しく説明します。
以下のいずれかに該当する場合、運営基準減算の対象となります。
(1)居宅介護支援の提供開始の際、利用者にあらかじめ ・利用者は複数の指定居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができること ・居宅サービス計画に位置付けたサービス事業者等の選定理由の説明 ・前6月間の居宅サービス計画における訪問介護や通所介護等のサービスが位置付けられたそれぞれのサービスの割合 ・前6月間の居宅サービス計画における訪問介護や通所介護等の回数のうち、同一のサービス事業者によって提供されている割合
上記について文書を交付して説明を行っていない場合。
(2) 居宅サービス計画の新規作成・変更のためのアセスメントにあたり、 ・介護支援専門員が利用者の居宅を訪問し、利用者とその家族に面接をしていない場合 ・介護支援専門員がサービス担当者会議を開催していない場合(やむを得ない場合を除く) ・介護支援専門員が居宅サービス計画の原案の内容について、利用者またはその家族に説明し、利用者からの同意を得た上で、居宅サービス計画を利用者と担当者に交付していない場合
(3)居宅サービス計画作成後、モニタリングにあたり、
・介護支援専門員が1カ月に1回、利用者の居宅を訪問して利用者に面接をしていない場合 ・介護支援専門員がモニタリングの結果を記録していない状態が1カ月以上継続する場合
基本報酬50/100
※2カ月以上継続している場合は基本報酬を算定できません。
※2カ月以上継続する場合の適用月:2月目から
<例>
4月 50/100減算適用
5月6月 (減算の状態が続く限り)算定しない
・運営基準を遵守していない場合は、市町村からの指導の対象となります。また、指導に従わない場合は、指定の取消等の処分に至ることがあります。
・2018年度改正では新たに「担当者に対する個別サービス計画の提出依頼」が基準に定められましたが、運営基準減算の対象となる「居宅介護支援の業務が適切に行われない場合」に定められていない項目については、減算の対象とはなりません。ただし、運営基準の趣旨目的を踏まえ、適切に取り組むことが求められます。
【居宅介護支援】(事業所ベース)…0.8%
※出典:第190回 社会保障審議会介護給付費分科会資料