居宅介護支援事業所において、ご利用者へのサービスの質を向上させていく上で、また事業所収支を安定させるためにも重要となるのが「特定事業所加算」です。
本記事では居宅介護支援における特定事業所加算の算定要件や単位数について説明しています。特定事業所加算の要件を確認したい、これから特定事業所加算の取得を検討している居宅介護支援事業所の方は、ぜひ最後までご覧ください。
-
目次
- 居宅介護支援の特定事業所加算とは
- 居宅介護支援の特定事業所加算の算定要件
- 居宅介護支援の特定事業所加算の単位数
- 特定事業所加算の算定率
- まとめ
居宅介護支援の特定事業所加算とは
居宅介護支援における特定事業所加算とは、中重度者や支援困難ケースへの積極的な対応や専門性の高い人材を確保して、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を(Ⅰ)~(Ⅲ)の三段階で評価する加算です。2019年4月からは、特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを算定している場合に取得できる、医療・介護連携を積極的に実施している事業所をさらに評価するための特定事業所加算(Ⅳ)が創設されています。
居宅介護支援の特定事業所加算の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)・(Ⅳ)の算定要件は以下のようになります。
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅰ)の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅰ)では、下記①~⑬の要件をすべて満たす必要があります。
①常勤専従の主任介護支援専門員を2名以上配置すること
②常勤専従の介護支援専門員を3名以上配置すること
③利用者の情報や留意事項等の伝達を目的とした会議を定期的に開催していること
④24時間連絡体制及び利用者等からの相談に対応できる体制を確保していること
⑤介護支援専門員に対して、計画的に研修を実施していること
⑥困難事例にも対応していること
⑦地域包括支援センターが実施する事例検討会に参加していること
⑧運営基準減算・特定事業所集中減算の適用を受けていないこと
⑨介護支援専門員1人あたりの利用者数が40名未満であること
⑩介護支援専門員実務研修の実習に協力していること
⑪他の法人が運営する居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施していること
⑫市町村長に届出をしていること
⑬利用者総数のうち要介護3~5である利用者の占める割合が40%以上であること
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅱ)の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅱ)では、下記①~⑫の要件をすべて満たす必要があります。
①常勤専従の主任介護支援専門員を1名以上配置すること
②常勤専従の介護支援専門員を3名以上配置すること
③利用者の情報や留意事項等の伝達を目的とした会議を定期的に開催していること
④24時間連絡体制及び利用者等からの相談に対応できる体制を確保していること
⑤介護支援専門員に対して、計画的に研修を実施していること
⑥困難事例にも対応していること
⑦地域包括支援センターが実施する事例検討会に参加していること
⑧運営基準減算・特定事業所集中減算の適用を受けていないこと
⑨介護支援専門員1人あたりの利用者数が40名未満であること
⑩介護支援専門員実務研修の実習に協力していること
⑪他の法人が運営する居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施していること
⑫市町村長に届出をしていること
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅲ)の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅲ)では、下記①~⑫の要件をすべて満たす必要があります。
①常勤専従の主任介護支援専門員を1名以上配置すること
②常勤専従の介護支援専門員を2名以上配置すること
③利用者の情報や留意事項等の伝達を目的とした会議を定期的に開催していること
④24時間連絡体制及び利用者等からの相談に対応できる体制を確保していること
⑤介護支援専門員に対して、計画的に研修を実施していること
⑥困難事例にも対応していること
⑦地域包括支援センターが実施する事例検討会に参加していること
⑧運営基準減算・特定事業所集中減算の適用を受けていないこと
⑨介護支援専門員1人あたりの利用者数が40名未満であること
⑩介護支援専門員実務研修の実習に協力していること
⑪他の法人が運営する居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施していること
⑫市町村長に届出をしていること
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)の比較
特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の要件を比較すると以下のようになります。
|
(Ⅰ)
|
(Ⅱ)
|
(Ⅲ)
|
①主任介護支援専門員
|
2名以上
|
1名以上
|
1名以上
|
②介護支援専門員
|
3名以上
|
2名以上
|
2名以上
|
③定期的な会議の開催
④24時間連絡体制、相談対応体制の確保
⑤計画的な研修の実施
⑥困難事例の対応
⑦事例検討会への参加
⑧運営基準減算・特定事業所集中減算の非該当
⑨1人あたりの利用者数が40名未満
⑩介護支援専門員実務研修の協力
⑪他の居宅介護支援事業者と共同の事例検討会、研修会の実施
⑫市町村長への届出
|
共通で必要
|
⑬要介護3~5である利用者の割合が40%以上
|
必要
|
該当なし
|
該当なし
|
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅳ)の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅳ)では、下記の要件をすべて満たす必要があります。
- 前々年度の3月から前年度の2月までの間において、退院・退所加算(Ⅰ)イ・ロ、(Ⅱ)イ・ロ、(Ⅲ)の算定に関わる病院、診療所、介護保険施設、地域密着型介護老人福祉施設との連携の合計回数が35回以上であること
- 前々年度の3月から前年度の2月までの間において、ターミナルケアマネジメント加算を5回以上算定していること
- 特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)のいずれかを算定していること
算定要件における各項目の詳細や留意点については、算定要件と合わせてダウンロード資料(無料)にまとめておりますので、本記事と合わせてぜひご確認ください。
居宅介護支援の特定事業所加算の単位数
居宅介護支援における特定事業所加算の単位数は以下のようになっています。
加算名
|
単位数
|
特定事業所加算(Ⅰ)
|
500単位
|
特定事業所加算(Ⅱ)
|
400単位
|
特定事業所加算(Ⅲ)
|
300単位
|
特定事業所加算(Ⅳ)
|
125単位
|
特定事業所加算の算定率
居宅介護支援における特定事業所加算の算定率は、2019年4月時点で以下のようになっています。
加算名
|
算定事業所数
|
算定率
(事業所ベース)
|
特定事業所加算(Ⅰ)
|
414
|
1.05%
|
特定事業所加算(Ⅱ)
|
6,852
|
17.43%
|
特定事業所加算(Ⅲ)
|
4,203
|
10.69%
|
特定事業所加算(Ⅳ)
|
158
|
0.4%
|
出典:第190回社保審・介護給付費分科会資料「居宅介護支援・介護予防支援の報酬・基準について(検討の方向性)」より
まとめ
今回ご紹介した、居宅介護支援の特定事業所加算についての記事はいかがだったでしょうか?「介護経営.com」では上記で解説した内容に加え、算定要件の詳細や、特定事業所加算の介護報酬改定に関するQ&Aなどをまとめた資料【居宅介護支援事業所向け特定事業所加算算定のガイドブック】を無料でご提供しています。下記から簡単な手順でpdfファイルをダウンロードいただけますので、ぜひ皆さまの業務にお役立てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
会員詳細情報を入力すると下記の資料がダウンロードできます
会員詳細情報を入力すると下記の資料が
ダウンロードできます