この動画は、「感染症発生時におけるBCPの作成」シリーズの委員会の設置編です。 視聴に必要な時間は、標準速度で19分35秒です。 資料も無料でダウンロードいただけます。
<解説>株式会社ケアモンスター代表取締役:田中大悟さん
このシリーズは、順番にご視聴いただくことで感染症が発生したときのためのBCPを策定した後、PDCAサイクルを確実に回していくための理解を深めていけるように作成しています。
このページでは、概要説明編で説明した「事業継続計画におけるマネジメントサイクル」の考え方に沿って、BCP策定のための作成準備についてお話します。
⑴業務継続計画(BCP)とは
⑵:事業継続マネジメント(BCM)とは
⑶:新型コロナウイルス感染症について
⑷:感染症 BCPと自然災害 BCPの違い
⑸:介護サービス事業者に求められる役割
⑹:BCP 作成のポイント
⑺:感染(疑い)者発生時の対応等の全体像 (入所系)
⑻:感染(疑い)者発生時の対応等の全体像 (通所系)
⑼:感染(疑い)者発生時の対応等の全体像 (訪問系)
まず業務継続計画について説明します。
BCPとは、ビジネス コンティニュイティープランの略称で、業務継続計画などと訳されます。
新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。
こうした状況下でまず、業務を中断させないように準備するとともに、中断した場合でも優先業務を実施するため、あらかじめ検討した方策を計画書としてまとめておくことが重要とされています。
計画策定に向け、重要な取組例としては
次に、事業継続マネジメントについて説明します。
BCMとは ビジネス コンティニュイティーマネジメントの略称で、事業継続の為の戦略と言われたりもします。
介護事業所におけるBCPの作成は短期間でできるものではなく、作成のハ-ドルは高いため、管理者が一人で抱え込まないことが重要です。
BCP作成の為には、まずBCP作成の為の委員会を立ち上げることが、有効です。
詳細は2章の研修動画で詳細を説明しています。
新型コロナウイルス感染症の感染予防策や特性について説明します。
(※動画では2022年4月当時の情報を元にご解説しているのでご注意ください)
感染症と自然災害 BCPの違いとして3つのポイントを押さえましょう。
1つ目は、情報を正確に入手し、その都度、的確に判断をしていくことが重要であるとされています。
感染の流行影響は、不確実性が高く予測が困難です。
それでも、職員、入所者・利用者への感染リスク、業務を継続する社会的責任、施設・事業所を運営していくための収入の確保などの観点を踏まえて業務継続レベルを判断していく必要があります。
そのため、正確な情報を収集し、その都度的確に判断を下していくことが施設・事業者には求められます。
2つ目は、業務継続は、主にヒトのやりくりの問題が上げられます。
建物設備やインフラなどに甚大な被害を及ぼす自然災害と違い、新型コロナウイルス感染症ではヒトへの影響が大きくなります。
そのため、感染拡大時の職員確保策をあらかじめ検討しておくことが重要です。
3つ目は、感染防止策が重要ということです。
物流の混乱などの理由から感染予防に必要な物資の不足が起こり得ることから、
平時から備蓄を進めておくことが必要となります。
職員の確保策に加え、感染防止策についてもあらかじめ検討し、適切に実施しておくことが肝要です。
業務量の時間的推移も感染症と自然災害では異なってきます。
次に介護サービス事業者に求められる役割について説明していきたいと思います。
介護サービス事業者に求められる役割として、1つ目のポイントは、サービスの継続があげられます。入所施設・訪問サービスにおいては、感染症の感染拡大時にも業務を継続できるよう事前の準備を入念に進めることが必要です。
また通所系サービスにおいては、極力業務を継続できるよう努めるとともに、万一業務の縮小や事業所の閉鎖を余儀なくされる場合でも、利用者への影響を極力抑えるよう事前の検討を進めることが肝要です。
そのほか、利用者の安全確保、職員の安全確保があげられます。
感染症BCP作成のポイントを5つ説明します。
これらに加え、最新の知見を踏まえた定期的な見直しも重要な要素です。
入所系サービスにおける感染(疑い)者発生時の対応等の全体像について説明します。
【1】:平時対応について検討し対策を練ります 【2】:次に、感染疑い者の発生時の対応について具体的な基準や対策を明確にします 【3】:初動対応の在り方についても、検討し対策を明確にしておきます。 【4】:検査の必要がある場合は、検査を実施し、 ・陽性は原則入院となり、 ・陰性の場合は入所継続 となります。 【5】:そして、感染拡大防止体制の確立を図り 【6】:収束をむかえます。 【7】:平時において、BCP周知の為の研修や実行への訓練も行い検証から見直しをかけることも重要です。
通所系サービスにおける感染(疑い)者発生時の対応等の全体像について説明します。
こちらは、通所系サービスにおける感染者発生時のBCP策定への全体像のイメージです。
入所系サービスとの違いとしては、 【1】検査後に、「休業の検討」が入っている点と 【2】感染拡大防止体制の確立の「職員の確保」と「業務内容の調整」がないことが上げられます。
訪問系サービスにおける感染(疑い)者発生時の対応等の全体像について説明します。
【1】入所系サービスと比較するとの初動対応にある、「消毒・清掃の実施」が入っていない点が違いとして上げられます。
今回は、【感染症発生時におけるBCPの作成準備(BCPに対する理解)】として、 ・感染症 BCPと自然災害 BCPの違い 介護サービス事業者に求められる役割 ・感染症 BCP の全体像の理解など
についてお話をさせていただきました。
「BCP作成」に向けて、事前に把握しておくべきことへの理解が増し
引き続きBCPの作成にチャレンジしていきたいと思っていただけたとすれば大変うれしく思います。
株式会社ケアモンスター 代表取締役。社会福祉士・介護支援専門員。1975年生まれ石川県出身。 整形外科(老人保健施設)や脳神経外科等に勤務し、医療ソーシャルワーカーや介護支援専門員として、組織や地域のマネジメント業務に携わりながら、医療経営を学ぶ。 その後、医療法人の理事、MS法人の取締役として、クリニックを中心とした介護事業の立ち上げや運営を行う。 2014年に、コンサル事業・セミナー事業を主に起業。現在は、今の福祉事業の概念を壊しながら、「新しい価値」と「新しい仕組み」を創造する!ということをテーマに活動中。