介護給付費算定に係る体制等に関する届出書とは、介護施設やサービス事業所が各種加算に関する届け出を行う際に、都道府県などの指定権者に提出する書類です。サービスの指定を管轄する自治体に各種加算の算定などを届け出る場合、この様式と「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」のほか、加算の種別ごとに定められている様式を併せて作成して期日までに届け出る必要があります。
※基準該当事業者用には、別途、市区町村が指定する様式があります。
事業所の新規指定を申請するタイミング、加算を新たに算定する際、加算の届け出内容に変更があった場合、加算の算定を終了する場合に作成し、保険者(都道府県・市区町村)に提出します。
原則として居宅サービス・地域密着型サービスの場合は、前月の15日以前に届け出ることで翌月から加算が算定できます。施設サービスでは加算算定月の初日までに届け出ます。
※訪問看護の「緊急時訪問看護加算」や一部サービスを対象とした「介護職員処遇改善加算」などは別に定めがあります。詳細は対象サービスを管轄する保険者(都道府県・市区町村)が発信している情報をご確認ください。
介護給付費算定に係る体制等に関する届出書の書き方のポイントを以下の通り紹介します。
・届出は法人名で行い、様式は事業所及びサービスごと(事業所番号別)に提出します。
・「法人の種別」欄には、「社会福祉法人」「医療法人」「社団法人」「財団法人」「株式会社」「有限会社」等の区分を記入します。
・「法人所轄庁」欄には、申請者が認可法人である場合に、主務官庁の名称を記載します。
※なお、欄外右上の「所在地・名称」欄については事業所名ではなく法人名を記載します。
・「主たる事業所の所在地以外の場所で一部実施する場合の出張所等の所在地」欄にはサテライト事業所に関する情報を記載します。複数のサテライト事業所が有る場合は、適宜欄を補正して、全てのサテライト事業所の状況について記載してください。
・「実施事業」欄には、届け出るサービスに該当する欄に「〇」をつけます。
・「異動等の区分」欄には、届出を行う事業所・施設について該当する数字に「〇」を記入します。
・「異動」(予定)年月日欄には、加算算定開始の年月日(変更や終了を選んだ場合はその年月日)を記載します。
・「異動項目」欄には本書式と併せて自治体に提出する「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」に掲げる項目(施設等の区分、人員配置区分、その他該当する体制等、割引)を記載してください。
・異動の状況(届出をする加算の変更前と変更後の内容)について具体的に記載します。
《記載例》 通所介護 変更前:個別機能訓練加算Iのみ 変更後:個別機能訓練加算I・II両方
介護予防通所 変更前:運動器機能向上なし 変更後:運動器機能向上あり
・同一法人が、同じ場所で一体的に行っている介護予防サービスについては、同一用紙での届出が可能です。
・加算等の基準に該当しなくなった場合は、該当しなくなることが明らかになった段階で速やかに自治体への届出を行ってください。基準に該当しなくなった日から加算は算定できません。届出を行わずに請求を行ない支払われた介護給付費は不当利益となり、市町村に返還が必要となります。
・加算の算定は、加算の要件を満たし、かつ、期日までに管轄保険者(都道府県・市区町村)に届出をしなければ算定できません。仮に加算の要件を満たしていたとしても、過去に遡って届出を行うことはできません。
・届け出た内容については、保険者(都道府県・市区町村)による事後的な調査(実地指導など)が適宜行われます。事後調査などによって届出の要件に合致していないことが判明し、指導しても改善がみとめられない場合は届出の受理が取り消され、加算全体が無効となり、利用者負担分を含めた介護給付費の返還が必要となる可能性があります。
(注)記事の内容は、2021年6月末時点の情報を基に作成しています。今後、厚生労働省より解釈通知、各保険者(都道府県・市区町村)より詳細な通知・資料などが公開された場合、具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報を基にご判断をいただきますようお願い致します。配信日:2021年8月27日