研修01_コロナ禍における介護事業者が行うべき感染予防対策

2021.04.19
2021.07.02
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目次
    介護事業者と感染予防対策
      職員の健康管理
        平常時の衛生管理
          感染拡大防止

            介護事業者と感染予防対策

            注意すべき主な感染症

            介護事業に関わる際に注意しなければならないことはいろいろありますが、高齢のご利用者様の健康に直結することとして様々な感染症の予防があります。感染症も多数あり特に高齢の方が感染した場合に重篤な症状となるものについては十分注意して介護することで予防できるものもあります。

            感染症を、感染力の強さで分類すると大きく3つに分けられます。

            非常に感染力が強く、職員も含めて集団感染する可能性が高いものとしてはインフルエンザ、ノロウイルス感染症などの感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌感染症、痂皮型疥癬、結核などがあり、現在大きな問題となっている新型コロナ感染症もこれに含まれます。

            健康な人が感染する可能性は低くても、感染抵抗性が低下している高齢者が集まる施設などでは集団感染が起こり得るものとしては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症(MRSA感染症)、緑膿菌感染症などの薬剤耐性菌による感染症があります。

            集団感染の可能性は低いのですが、血液体液を介して感染する感染症にも注意が必要です。具体的には、肝炎(B型、C型)やHIV感染症が挙げられます。

            いずれも高齢者が罹患した場合、重度化する可能性が高いものですので感染症には充分注意することが必要になります。


            感染対策の基礎知識(感染源、感染経路の遮断)

            感染症に対する対策の原則は、「持ち込まない」、「持ち出さない」、「拡げない」、の3つです。

            この3つについて各々説明していきます。

            まず持ち込まないについてです。

            介護施設・事業所に感染症を持ち込む原因としては、職員、利用者、外来者の3者があります。

            まず職員について考えましょう。

            職員は日常から自身の健康管理に十分注意しているはずですが、自宅に帰れば家族がいます。家族から感染症をうつされてしまうことも考えられます。日常生活上どうしても避けられない状況で感染症になってしまうこともあるでしょう。

            この状態で出勤して普通に介護業務に携わった場合には施設・事業所に感染症を持ち込むことになります。これを防ぐには職員の出勤前の健康状態を十分に確認して感染症の疑いがある場合には休むことが必要となります。

            直接高齢者の方と接する機会が最も多く、外部との接触も多い職員からの持ち込みを防止することで、効果的に施設・事業所内に感染症を持ち込むことを防止できます。

            次は利用者からの持ち込みについてです。

            施設に長期入所している方であれば、外部との接触は少ないはずです。感染症が流行している時期は外出をしないことで施設に感染症を持ち込む可能性は非常に少ないはずです。

            ここで注意が必要となるのはショートステイ利用者や新規の入所者になります。入所前に健康状態を十分に確認して、感染症の疑いについて確認します。感染症が疑われる利用者については、施設の体制などを考慮して適切な対応をします。

            施設・事業所に出入りする委託先業者の方については、施設職員と同様の対応が必要となります。

            出勤時に健康状態に不安がある場合には休んでいただくことを委託先に十分に説明しておきましょう。給食関係については、食中毒などの防止も含めて注意してもらう必要があります。

            これらが完全に実施されれば施設・事業所内に感染症が持ち込まれることは非常に少なくなります。

            次は持ち出さないについてです。

            厚生労働省の高齢者介護福祉施設・事業所における感染対策マニュアルでは、”持ち出さない”とは施設・事業所内での入所者と職員の間の感染であると定義されています。

            施設・事業所内で行われる医療処置や看護、介護、リハビリなどのサービス提供はもちろんですが、訪問介護や訪問リハビリテーションなどの訪問系サービスにおいても、職員と利用者の間での感染を防ぐためには、後で説明しますがスタンダードプリコーションを厳守してサービス提供にあたることが重要になります。

            拡げないについては、施設・事業所内の設備、備品などを介して拡がっていくことを指しています。

            具体的には、食事の際に使用する食器や食卓などの備品や、食材を介しての感染や、入浴の際に使用するタオル、石鹸、マット類や浴室そのものを介しての感染、排泄の際に利用する便器、各種物品を介しての感染が挙げられます。

            もちろん、施設・事業所そのものの空間を介して感染するものも含まれます。


            高齢者の健康管理(入所時、通所時、訪問時)

            施設・事業所に感染症を持ち込まないために重要となるものが、利用開始時の高齢者の健康状態観察です。

            利用開始時には通所サービスの送迎車に乗車いただくことも含みます。最低限利用直前時点で発熱や咳、くしゃみなどの症状が無いか確認します。

            これらの症状が確認できた場合は、医療機関と連携のうえ適切な対応をすることが必要となります。

            特に狭い空間に多数の高齢者が集まることになる通所サービス送迎車に乗っていただくことは大きなリスクとなるため注意が必要です。

            発熱、咳、くしゃみ以外の症状で注意が必要となるものもあります。

            ノロウイルスに感染した際の症状となる嘔吐下痢です。

            これは利用開始時の状況を職員が確認しただけではわからない場合もありますので、前日の状況をご家族に聞くなどして確認しましょう。

            現在のコロナ禍では特に発熱、咳、くしゃみなどのコロナウイルス感染時の代表的な症状ばかりに注目しがちで他の感染症の症状を見逃しがちです。

            新たにサービスを利用開始される方については、肝炎ウイルスやHIVウイルスの感染症の有無についても把握するようにします。

            これは利用開始が決まったら主治医に依頼するなどして診療情報提供書の提示を受けて内容を十分把握しておくことで対応します。

            これらの感染症をお持ちの方の対応が可能な施設・事業所であれば、サービス提供は可能ですが、血液感染のリスクがある事を職員全員が十分に理解して、絶対に感染しない対応方法を確立しておくことが必要です。

            訪問系のサービスについては、これらの注意点に加えて、利用者の自宅に感染症を持ち込まないと考えることが必要となります。

            介護事業者として訪問看護や訪問介護、訪問リハビリテーションなどで利用者のご自宅に訪問する場合には、サービス提供する職員自身の健康状態に問題がないことを十分に確認しておくことが必要です。その上で、複数の利用者のご自宅を訪問することを考えた場合には、常に利用者は何らかの感染症を持っていると考え、サービス提供者がうつされてしまうことが無いよう、十分な対策をした上でサービス提供します。


            スタンダードプリコーション

            スタンダードプリコーションとは標準予防措置策と訳されます。

            施設・事業所内で感染症を拡げないためには、まず介護にあたる職員が感染症に罹らないことが重要となりますが、職員が感染症に罹らないための予防措置として最低限必要となるものを指しています。感染症によってはスタンダードプリコーションで挙げられているものだけでは不十分なこともありますが、日常の介護業務に際して全職員が常に意識しておくことが必要な項目となります。具体的には

            ・手洗い、うがいの励行

            ・血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物などの取り扱いは手袋を着用する

            ・これらが飛び散る可能性がある場合には、マスク、エプロン、ガウンを着用する

            というものです。

            特に手洗い、うがいについては1人の介護が終わり、次の方の介護に移る際には必ず励行することが重要です。

            職員の健康管理

            入職時の確認

            企業に雇用されるものは法律に基づき健康診断を実施することが義務付けられています。

            具体的な検査項目は

            1 既往歴及び業務歴の調査

            2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

            3 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

            4 胸部エックス線検査

            5 血圧の測定

            6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

            7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)

            8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

            9 血糖検査

            10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

            11 心電図検査

            となっています。

            介護事業者として特に留意すべき点が1の既往歴があります。

            水痘、麻しん、風疹、流行性耳下腺炎についての既往と抗体価を確認することで、その職員がこれらの感染症の媒介者になる可能性を確認できますし、B型肝炎などに感染していないことを確認することで、血液からの感染症媒介者となる可能性を排除できます。

            日常的に健康な状態を維持して介護にあたってもらう必要がある職員が、入職時に健康状態に不安を持っていないかは把握しておく必要があります。


            定期的な健康診断

            1年以内ごとに1回の検診実施が義務付けられています。このときの検査項目は入職時とほぼ同じものですが、職員の年齢によっては省略することが認められる項目もあります。また夜勤に従事している職員は追加で半年以内に一回の検診が必要となります。

            これらの健康診断については事業者の費用負担で行う必要があります。

            ここで留意すべき点は、この法定義務となる健康診断をしていても十分ではないという点です。

            検診の結果、異常と判定されたものについては、適切に対処し必要に応じて療養するなどの指導をしなければなりません。管理職の方はこれらの点にも留意するようにします。

            感染症とは異なるものですが、介護現場では業務上発生しやすい腰痛、関節痛などの症状を訴えている職員がいないかなどの点についても管理職の職員の方は留意しておく必要があります。


            日々の検温、体調管理、早期の発見

            法定健康診断は、あくまで全業種を対象としたものとして設定されているものです。

            高齢者の健康に直結する介護事業者としてはこれ以外に日常的に職員の健康管理に配慮する必要があります。

            現在のコロナ禍の中実施されている事業者も多いと思いますが、出勤時に検温することは職員の健康管理における第一歩となります。

            施設・事業所に感染症を持ち込まない様にするため、日々の出勤前の検温を勧奨します。

            検温以外にも、自身の体調に異常が無いかを確認することが必要です。

            たとえ発熱が無くても、咳やくしゃみなどの自覚症状があれば何らかの感染症を疑うことが必要です。感染は日常生活の中でも起こるものである事を意識して、頻繁なうがい、手洗いなどを行うことで、日常から感染予防策に留意するようにします。

            ワクチンによる予防も効果的です。

            予防接種の実施に際しては、職員にその有効性や副反応の可能性など十分に説明をして同意を得たうえで、接種の機会を提供するようにします。

            予防接種を受けないものについては、一般的な健康管理を充実強化するようにします。

            これらの対策に加えて、利用者と同様に職員自身も健康状態を把握して感染症に罹患した際の初期症状に留意して早期発見に努めるようにします。

            とくに留意すべき症状は次のとおりです。

            これらが自覚症状として発生した場合には感染症を疑い、施設・事業所に持ち込まないように対応する必要があります。

            ・発熱

            ・嘔吐(吐き気)

            ・下痢

            ・腹痛

            ・咳

            ・咽頭痛・鼻水

            ・発疹

            ・摂食不良

            ・頭痛

            ・顔色、唇の色が悪い


            職員に対する研修の実施

            介護保険法の中で職員に対する様々な研修が義務付けられています。

            その中で感染症に関係するものとして感染症・食中毒の予防及び蔓延防止に関する研修があり、これは年2回以上実施することとなっています。

            加えて新規職員を採用した場合には、新規職員になるべく早い時期に感染対策の研修を実施しなければなりません。定期的な研修は、梅雨時期ごろに食中毒に関する研修と初冬にインフルエンザとノロウイルスに関する研修を実施している施設・事業所が多いようです。

            この研修を主催するのは、施設・事業所内の多職種で構成する感染対策委員会とします。

            感染対策委員会の設置は介護保険法に定められています。

            委員会は定期的な開催に加えて冬季など感染症が発生しやすい時期や感染症の疑いがある場合は必要に応じて随時開催することが必要です。

            この委員会では感染症の予防と、感染症発生時の対応が求められています。

            これは施設・事業所の種別や特色によって大きく変わってくることがあります。

            入所施設であれば施設内の感染症を拡げないというところにも、相応の注意が必要となりますし、通所系の事業所であれば利用開始時の利用者の健康状態観察から始まる、持ち込まない、ということに注力することも多いと思います。また訪問系サービスであれば、職員自身が感染症を持ち込まない、という部分に特に注意が必要となると思われます。

            施設・事業所によって感染症に対する効果的な予防策や対応策が変わってくるところも十分考慮した上で、感染予防策や対応マニュアルの作成や改定を行ってください。

            ここで作成した予防策やマニュアルなどの周知を行う形で研修を実施します。

            研修の講師は、委員会の委員が行いますが、外部の専門家や講師を招いて実施することも効果的です。

            施設・事業所の状況に即した効果的な研修を計画して、最新の情報を職員に発信していくようにします。

            平常時の衛生管理

            環境整備

            環境整備は、清潔維持、整理整頓、設備整備があります。

            清潔維持については、見た目に清潔な状態を保つことを目的として日常の施設・事業所内清掃を行います。このとき消毒薬などを利用した作業よりも、目に見える汚れやほこりを綺麗に清掃し、居心地よく住みやすい環境づくりをすることを優先します。

            次に整理整頓です。高齢者の生活スペースでは、様々な物品が整頓され使いやすく清潔に保たれていることが重要です。

            これは利用者の占有スペース(居室など)も共有スペース(食堂など)も同じです。

            平常時から利用者が過ごすスペースを整理整頓することで衛生管理と同時に物品の転落などで起こる可能性のある事故も予防できますし、汚れやほこりも確認しやすくなります。

            確認しやすい汚れやほこりは清掃するのも容易です。

            まずは高齢者の生活スペースの整理整頓を行い、見た目に清潔な状態を保つようにします。

            次に高齢者の生活スペース以外の職員だけが利用するスペースについて整備します。

            利用者や家族の目に触れにくい場所ということで、あまり整理整頓されていなかったり清掃が行き届いていなかったりすることもあるようですが、介護サービスを提供する事業所の中のスペースですので重要な点です。

            整理整頓する際は、そのスペースが清潔エリアと不潔エリアに分け、各物品はどのスペースにあるべきなのかを分類することが必要です。

            おむつで考えれば簡単ですが、使用前のおむつは清潔エリアに保管、使用後のおむつは不潔エリアとなります。

            施設・事業所で保管している物品すべてを清潔、不潔に分類し、各々を決められたエリアに整理整頓することが必要になります。

            整理整頓ができたら、次は設備整備について考えましょう。

            感染対策に必要な設備を利用者も職員も利用しやすいものにすることに着目します。

            例としては、ペーパータオルの設置、自動水栓や足踏み式水栓の設置、足踏み式ゴミ箱の設置などが挙げられます。


            清掃

            適切な環境整備ができた状態での清掃についてです。施設・事業所毎に必要となる清掃頻度は異なります。高齢者の生活スペースについては毎日適切に清掃します。

            複数の高齢者が生活していれば汚れやほこりは常に発生しています。

            このとき同時に換気についても考慮します。

            冷房や暖房を必要とする時期は高齢者の方に影響が最小限となるタイミングを見計らって清掃と換気を同時に行うことが望まれます。

            清掃時に発生する空気中のほこりを排出することができます。

            食堂では毎食後、高齢者の方の利用が終わって人が少なくなった時点でテーブルや床の汚れを点検します。食べこぼしなどが残らない様に都度清潔にしておくことで汚れが蓄積することも防止できますし、なにより見た目に清潔が保てます。

            これらの一般的な清掃が終わったら、必要に応じて消毒などの感染症予防のための清掃を行います。

            多くの人が触れるドアノブ、手すり、エレベーターのボタンなどを重点的に消毒します。

            このとき注意が必要となる点として、ノロウイルス対策の消毒にはアルコールは効果がない点です。

            ノロウイルスに対しては次亜塩素酸消毒液を適切な濃度で使用することが必要になります。

            アルコールと次亜塩素酸消毒液を適切に使い分けるようにします。


            嘔吐物、排せつ物処理/血液・体液処理

            嘔吐物については平常時から取り扱いに注意するようにします。

            嘔吐物は人の体液を含んだものですので、スタンダードプリコーションで定められるとおり、必ず手袋を着用して処理するようにします。

            感染症による嘔吐でないことが明確であってもこの点は重要になります。

            処理にはペーパータオルなどの使い捨てできるものを利用して、使い捨てできない物品を利用した場合には、使用後必ず消毒するようにします。

            排せつ物についても同様です。おむつに残っている排せつ物については適切にトイレなどで処理した後、可能な限り汚染した面を内側にして折りたたむなどして他を汚染することが無いように施設・事業所で定める方法で廃棄します。

            嘔吐物、排せつ物とも付着した場所は一般の清掃ではなく、次亜塩素酸消毒液で消毒することも必要となります。

            血液・体液処理についても嘔吐物などと同様ですが、これについては介護作業中に誤って触れてしまう可能性が高い点に注意が必要です。

            出血している方や体液が出ていることが明確な方の介護を行う際は、あらかじめ手袋を着用して介護作業を行うなど介護者が血液・体液に触れないように準備します。

            必要に応じてガウンやエプロンの着用も行います。

            作業が終わったら、着用した手袋、ガウン、エプロンなどは介助していた方に触れた面はすべて汚染されている前提で、この面に直接触れないようにしながら脱ぎ、汚染面を内側にして畳んで施設・事業所で取り決めた場所に廃棄するようにします。


            手洗いの方法

            手洗いを頻繁に行っていても正しく洗えていないケースが多数あります。次の要領で正しく洗います。

            1. 時計や指輪は外す

            2. 爪は短く切っておく

            3. 流水で手を軽く洗う

            4. 液体せっけんを利用する

            5. 手のひらを合わせて良く洗う

            6. 片方の手のひらを、もう片方の手の甲に合わせ伸ばすように洗う

            7. 指先と爪の間を、もう片方の手のひらにこすりよく洗う

            8. 指の間を十分に洗う

            9. 手のひらで親指を握るようにして、ねじり洗いする

            10. 手首を洗う

            11. 水栓を閉めるときは、洗っていない肘を使う。できないときはペーパータオルを使って閉める。


            手袋の着用と交換について

            手袋は感染物や感染の危険性があるものを直接触れないようにするために利用するものです。

            手袋をして作業した後、手袋を外さずそのまま他の作業をしてはいけません。たとえ次の作業が別の汚染物を触るものであっても、感染の危険を避けるために着用した手袋のまま他の場所の作業をした場合、感染物を他の場所に付着させる危険があります。手袋を使用した作業が終わったら必ず適切な方法で手袋を外して廃棄した上で、手洗いを実施するようにします。 使用した手袋は自分の手に接していた面以外はすべて汚染されているものとして考えなければいけません。次の要領で適切に外すようにして廃棄します。

            手袋を外した後は必ず手指消毒を行うことが必要です。

            1. 片方の手袋の袖口をつかむ

            2. 手袋を表裏逆になるように外す

            3. 外した手袋を、手袋が残っている方の手で握る

            4. 手袋を外した手を残っている手袋の袖口内側に差し込む

            5. 手袋を表裏逆になるように外す

            6. 外した手袋はすぐに施設・事業所で定められた方法で廃棄する

            7. 手指消毒を十分に行う


            入所、通所、訪問者の手指の清潔

            高齢者の方の手指を清潔に保つことは施設・事業所内での衛生管理上重要な作業です。

            必要に応じて職員の手洗い方法と同じように手洗いをしていただくようにします。

            ご自身での手洗いが難しい場合には手洗いの介助をします。

            この際ご自身の爪で手の甲などを傷つけてしまわないように十分注意してください。

            手洗い後のタオルについてはペーパータオルを利用することが必要です。

            共用タオルの利用は絶対にしてはいけません。

            複数の利用者が同じタオルを使った場合、せっかく手洗いをしていても、タオルを感染源として感染症が拡がる可能性があります。

            入浴の際の足ふきマットも同様です。複数の利用者で共用することは絶対に避けてください。利用者ごとに清潔なタオルを使用して拭いた後はすぐに洗濯することが必要です。


            食事介助

            食事介助に入る際は必ず手指消毒を行ってください。高齢者の方の口に直接入るものに触れる可能性が高いため非常に重要です。

            食べこぼしが多い方などには、その方ごとにウェットティッシュを準備しておきます。

            基本的にウェットティッシュはアルコール製剤が含まれているので、ティッシュ自体が感染を拡げる可能性は少ないと思われますが、ティッシュの外袋に触れることもあり全く感染の危険がないとは言えません。

            使用前に十分に洗浄して清潔を保ちます。他の食器も同様ですが、洗浄が終わったらふきんなどで拭くことはしてはいけません。食器乾燥機を利用して乾燥させます。この際の高温処理は簡単な消毒の効果も期待できます。


            排泄介助

            おむつ交換の際は常に感染症の原因となる可能性があるものを触っているという認識を持ちます。手袋の着用を行い1人の対応が終わったら必ず手袋の廃棄後、手指消毒を行ってから次の作業をするようにします。

            手袋をしておむつ交換をすることで介助される方の心象を害することを気にされる方もおられるようですが、おむつ交換はノロウイルスなどの感染リスクが非常に高い作業であることを認識して感染予防に努めることが必要です。


            医療処置

            介護事業者による代表的な医療処置としては、点滴、喀痰吸引、注射がありますが、いずれの場合にも手袋を使用する点です。

            点滴と注射については、いずれも対象となる方の血液に直接触れる可能性が非常に高い作業となります。点滴の場合は特に抜針したあとの処置でほとんどといっていいほど血液を触れることになります。

            喀痰吸引の場合は、血液ではありませんが体液に触れる可能性が非常に高くなります。

            スタンダードプリコーションの観点からこれらの作業を行う場合には、すべて手袋着用が必要と考えるようにします。

            また、この際に使用した物品について使用後はすべて医療廃棄物として適切に廃棄することが必要です。

            インスリンの自己注射などの針もふくめ針刺し事故を予防するため適切な容器に廃棄することも重要です。


            健康状態の観察

            日常の健康管理としてバイタルチェックはされていると思いますが、高齢者の方が普段と比べて元気がなかったりしないか、表情がすぐれないことはないか、などにも注意します。感染症の初期症状は様々ですが、普段活発な方がなんだか元気がなさそうだとか、顔色がすぐれないようだ、といった点についても気に留めるようにすることで早期発見ができることがあります。体温についても一律何度になったからおかしい、という見方ではなく、普段の体温から変動が大きいときは異常を疑うようにします。

            嘔吐、下痢があったときはノロウイルス感染症を疑うことが必要です。

            感染性が非常に高いため、注意が必要です。吐しゃ物や排せつ物で汚染された可能性がある場所などは適切な消毒などの対処をします。

            高熱やだるさ、節々の痛みなどの訴えや高齢者の場合は下痢や腹痛の訴えがあった場合にはインフルエンザを疑うことが必要です。

            高齢者がインフルエンザに罹った場合には、様々な合併症や肺炎をおこすことも考えられます。早期に受診し適切な治療が必要です。また施設・事業所内への蔓延を防ぐため適切な隔離を行い介護者も感染防止措置を取った上での介護をするようにします。

            新型コロナについては初期症状として、発熱、咳などの呼吸器症状が1週間前後続くことが多く強い倦怠感を訴えることが報告されています。

            これらの症状があった場合には早期に医療機関に相談するようにします。

            また主症状として挙げられている倦怠感については、ご自分で訴えることができない高齢者の方も多いと思われます。普段との様子の違いに注意して観察し、明らかに元気がないなどと判断をした場合には初期症状であることを疑うことが必要です。

            感染拡大防止

            発生時の対応

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