研修19_2021年度介護報酬改定3_通所介護の報酬改定で取り組みが必要な内容①

2021.07.05
2022.09.27
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目次
    はじめに:2021年度介護報酬改定の全体像
      通所介護の報酬改定対応として必要な取り組みの内容
      おわりに:サービス毎の報酬改定で取組みが必要な内容

        はじめに:2021年度介護報酬改定の全体像

        まず2021年4月介護報酬改定の全体改定率から確認します。今回の全体改定率はプラス 0.7%、うちコロナ対策のプラス 0.05%は2021年9月までの次元的措置であるため、実質0.65%のプラス改定といえます。

        次回2024年の医療・介護同時改定ではさらなる大改革が行われることが予想されており、2021年の介護報酬改定は次期の大改定に向けたエッセンスが多数ちりばめられています。

        今回の改定を一言でまとめると、求められるのはパラダイムシフト。今までの考え方や価値観などの革命的・劇的変化への対応が必要になってきます。

        次に、報酬改定の全体像をおさらいします。以下の5つの柱に基づいて報酬改定がすすめられています。

        (1)感染症や災害への対応力強化
        (2)地域包括ケアシステムの推進
        (3)自立支援・重度化防止の取組の推進
        (4)介護人材の確保・介護現場の革新
        (5)制度の安定性・持続可能性の確保

        これら5つの柱は2024年にむけて継続的に審議されることが予測されているため、それぞれの改定内容がこの5つの項目のどこに紐づいているか改めて整理しながら考えていきましょう。

        通所介護の報酬改定対応として必要な取り組みの内容

        ここからは、通所介護について、今回の報酬改定により取り組みが必要になってくる内容について見ていきたいと思います。

        「3:自立支援・重度化防止の取組の推進」の9から16については加算項目の説明が多いため、 研修20_2021年度介護報酬改定3_通所介護の報酬改定で取り組みが必要な内容②の動画で説明しています。ぜひそちらもご覧ください。

        通所介護の報酬改定項目は、24項目あります。1項目ずつ、改定の概要や取り組みが必要な内容について見ていきましょう。

        感染症や災害への対応力強化

        災害への地域と連携した対応の強化(省令改正)

        まずは、災害への地域と連携した対応の強化について見ていきましょう。

        災害への対応においては、地域との連携が不可欠であることを踏まえ、避難等訓練の実施に当たって、地域住民との連携に努めなければならないことが非常災害対策に追加されました。具体的な非常災害対策は以下のとおりです。

        • 計画策定
        • 関係機関との連携体制の確保
        • 避難訓練の実施 等

        また、解釈通知において、「訓練の実施に当たっては、消防関係者の参加を促し具体的な指示を仰ぐなど、より実効性のあるものとすること」とされています。

        通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応(告示改正、通知改正)

        事業所規模別の報酬などに関する対応は、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に、状況に即した安定的なサービス提供を可能とする観点から、以下2点の見直しが行われています。

        (1)規模区分変更の特例(通知改正)

        利用者減がある場合、前年度の平均延べ利用者数ではなく、利用者減の月の実績を基礎とし、

        • 大規模型Iは通常規模型
        • 大規模型IIは大規模型I又は通常規模型 を算定可能に
        (2)同一規模区分内で減少した場合の加算(告示改正)

        利用者減の月の実績が、前年度の平均延べ利用者数等から5%以上減少している場合に、基本報酬の3%の加算を算定可能。

        こうしたことから、利用者の減少に応じた請求の仕組みや利用者への説明・同意の仕組みを明確化しておく必要があります。

        地域包括ケアシステムの推進

        認知症加算の見直し(通知改正)

        認知症対応力を向上させていく観点から、認知症加算の算定要件について見直しが行われました。

        認知症ケアに関する専門研修を修了した者の配置について、「認知症ケアに関する専門性の高い看護師を、加算の配置要件の対象に加える」という変更がなされました。

        認知症ケアに関する専門性の高い看護師とは、以下に該当する看護師のことを言います。

        • 日本看護協会認定看護師教育課程「認知症看護」の研修
        • 日本看護協会が認定している看護系大学院の「老人看護」及び「精神看護」の専門看護師教育課程
        • 日本精神科看護協会が認定している「精神科認定看護師」

        このことから、看護師を雇用している事業所においては、看護師の受講している研修などを把握しておく必要があります。

        またこれらの専門研修については、eラーニングの活用などが進められる予定であるため、職場においてeラーニングで学ぶことができる環境整備が求められます。

        認知症に係る取組の情報公表 (通知改正)

        認知症対応力の向上と利用者の介護サービスの選択に資する観点から、研修の受講状況など、認知症に関する事業者の取り組み状況について、介護サービス情報公表制度 において公表することが求められます。

        具体的には、「介護サービス情報の公表」制度で使用される「別添1:基本情報調査票」において、「3.事業所において介護サービスに従事する従業者に関する事項」の枠内に以下の欄を設け、受講人数を入力するように考えられているようです。

        • 認知症介護指導者研修
        • 認知症介護実践リーダー研修
        • 認知症介護実践者研修
        • その他の研修

        認知症介護基礎研修の受講の義務づけ(省令改正)

        資格を持たない職員について、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることが義務化されました。

        研修受講の義務化については3年の経過措置期間を設けられていますが、新入職員の受講については1年の猶予期間を設けることとなっています。そのため、研修への取り掛かりは早い段階で仕組み化しておくことが望ましいと考えられます。

        介護従事者などの認知症対応力向上の促進のための、研修のイメージをもっておくことは、今後の管理者には必要な視点となってきます。例として、以下の4つのステップが考えられます。

        1. 無資格者などには、採用後、1年以内に「認知症介護基礎研修」を受講させる仕組みを構築する
        2. 実務経験2年程の職員に、「認知症介護実践者研修」を受講させる仕組みを構築する
        3. 実務経験5年以上のリーダー候補に、「認知症介護実践リーダー研修」を受講させる仕組みを構築する
        4. 社会福祉士・介護福祉士の資格を有する者や、認知症研修の企画や指導の役割を担うことが見込まれる職員に対し、「認知症介護指導者研修」を受講させる仕組みを構築する

        このように研修の受講要件などを組織で明確にしておくことが、今後ますます求められるようになってきます。

        訪問介護における通院等乗降介助の見直し(通知改正)

        目的地が複数ある場合であっても、居宅が始点または終点となる場合は、目的地間の移送にかかわる乗降介助に関しても、同一の事業所が行うことを条件に算定可能になりました。

        このことから、利用者の身体的・経済的負担の軽減や利便性の向上にもつながることが期待されます。

        また、通所系サービスについては、利用者宅と事業所との間の送迎を行わない場合は減算を適用することとなりますので理解しておく必要があります。

        通所介護における地域等との連携の強化(省令改正)

        利用者の地域における社会参加活動や地域住民との交流を促進する観点から、地域密着型通所介護などと同様に、地域住民やボランティア団体等との連携及び協力を行うなど、地域との交流に努めなければならないという省令改正がありました。

        このことから、地域の町内会長や老人会長、またボランティア団体などの名簿を作成するなどの準備を行い、顔の見える関係づくりを推進していく必要があります。

        特例居宅介護サービス費(告示改正)

        特例居宅介護サービス費については、地域の実情に応じて把握しておくべき地域と、そうではない地域があります。

        ここでは、地域の実情に応じたサービス提供の確保として、

        • サービス確保が困難な離島等の特例(特別地域加算)
        • 中山間地域等に対する報酬における評価の特例(中山間地域等の小規模事業所加算、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算)

        が示されましたので、事業所が所在する地域で該当する場合は、こちらの内容を把握しておく必要があります。

        介護人材の確保・介護現場の革新

        処遇改善加算の職場環境等要件の見直し(通知改正・告示改正)

        職場環境等要件の見直しについては、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取り組みがより促進されることが期待されています。

        • 職員の新規採用や定着促進に資する取り組み
        • 職員のキャリアアップに資する取り組み
        • 両立支援・多様な働き方の推進に資する取り組み
        • 腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取り組み
        • 生産性の向上につながる取り組み
        • 仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取り組み

        また、これらは当該年度における取り組みの実施が求められます。

        介護職員等特定処遇改善加算の見直し(告示改正)

        介護職員等特定処遇改善加算の見直しについて見ていきましょう。

        リーダー級の介護職員については、他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、平均の賃金改善額の配分ルールについて見直しがなされました。

        • 「C:その他の職種」は「B:その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」とするというルールは維持したうえで、
        • 「A:経験・技能のある介護職員」は「B:その他の介護職員」の「2倍以上とする」というルールについては、「より高くすること」とすると変更されました。

        この変更に伴い、事業者は組織の実態に合わせて柔軟に設定出来るかと思います。

        サービス提供体制強化加算の見直し(告示改正)

        通所介護におけるサービス提供体制強化加算については、今回の改定で、新たな上位区分が設けられました。

        従来の加算IIは加算IIIとなり、算定要件である「勤続3年以上の介護職が30%以上」の要件が、「勤続7年以上が30%以上」に変更されています。

        このことにより、1日6単位の加算が算定できなくなる事業所が一定数出てくることが考えられます。

        今回の改定では、すべての事業者が一律で収入が0.7%あがるわけではなく、上位区分の報酬を算定できる場合は増収となり、そうでない場合は減収となってしまう事業所もあります。

        このことから、今回の改定は事業者間の収入格差が広がり、事業運営についての二極化が拡大する恐れがある改定であることが見て取れます。

        制度の安定性・持続可能性の確保

        同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額の計算方法の適正化(告示改正)

        同一建物減算等の適用を受ける利用者の 区分支給限度基準額の管理については、当該減算を受けない者と受ける者との間に利用単位数の不公平が生じており、受ける者については、減算適用前の単位数を用いることとされました。

        また、同一建物減算適用時の規模別の基本報酬の取り扱いについても変更があります。

        大規模型を利用する者の 区分支給限度基準額の管理については、通常規模型を利用する者との公平性の観点から、通常規模型の単位数を用いることとされました。

        これらの変更に伴い、同一建物減算の適応を受ける場合は、ケアマネジャーとしっかりコミュニケーションを図っておく必要があります。

        介護職員処遇改善加算(IV)及び(Ⅴ)の廃止(告示改正)

        介護職員処遇改善加算(IV)及び(V)は廃止されますが、令和3年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業者については、1年の経過措置期間が設けられています。

        したがって、現在IVまたはⅤを算定している事業所は、この経過措置期間内で今後加算区分を上げていくような取り組みをしていかなければなりません。

        サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保

        事業所と同一の建物に居住する利用者に対してサービス提供を行う場合には、当該建物に居住する利用者以外に対してもサービス提供を行うよう努めることとするという、省令改正がありました。

        また、事業所を市町村等が指定する際に、事業所の利用者のうち一定割合以上を当該事業所に併設する集合住宅以外の利用者とするよう努める、あるいはしなければならないなどの、「条件をつけることは差しつかえない」という通知改正も出されています。

        したがって、今後指定を受ける事業所は、このことについて必ず市町村などに確認しておく必要があります。

        その他

        最後に通所介護の基本報酬の変更について再確認しておきましょう。

        • 通常規模では7単位から12単位のプラス改定
        • 大規模I・IIでは6単位から11単位のプラス改定
        • 地域密着型では11単位から20単位のプラス改定

        このほかに新型コロナウイルス対応への評価として、2021年9月末までの間、基本報酬に0.1%上乗せすることとなっていますので、忘れずに算定していきましょう。

        おわりに:サービス毎の報酬改定で取組みが必要な内容

        下記のサービス毎に介護報酬改定で取り組みが必要な内容についての研修動画をご用意しています。必要に応じてご視聴ください。

        研修17_2021年度介護報酬改定1_サービス共通の報酬改定で取り組みが必要な内容

        研修18_2021年度介護報酬改定2_居宅介護支援の報酬改定で取り組みが必要な内容

        研修20_2021年度介護報酬改定3_通所介護の報酬改定で取り組みが必要な内容②

        研修21_2021年度介護報酬改定4_訪問介護の報酬改定で取り組みが必要な内容

        研修22_2021年度介護報酬改定5_訪問看護の報酬改定で取り組みが必要な内容

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